Eric Krock氏電話インタビュー
[編集部]
すみません、Netscape 7について教えてください。
[Krock氏]
(笑い)今のところ、具体的なものを発表してはいないのです。今言えることは、これからも世界中のデベロッパの協力によって、Mozillaコードベースの開発を進め、将来のNetscapeを開発していくということだけです。
ただ、Netscape 6をリリースすることで、今までよりも多くのデベロッパが「Mozilla」プロジェクトに参加してくれると思います。ほかのオープンソースプロジェクトを見ても、最初のリリースをしたあとに、ドッと参加者が増えるという傾向がありますから。そうなると、スピードも品質も上がると思います。
ただ、Netscape 6をリリースすることで、今までよりも多くのデベロッパが「Mozilla」プロジェクトに参加してくれると思います。ほかのオープンソースプロジェクトを見ても、最初のリリースをしたあとに、ドッと参加者が増えるという傾向がありますから。そうなると、スピードも品質も上がると思います。
[編集部]
いきなり失礼いたしました。では、Netscape 6についておうかがいします。GeckoはNetscape 6の最大の特徴であり、軽くて動作も速いという前評判がありました。しかし、たとえGeckoがそうだったとしても、製品になったときはさまざまな要求を満たすために、本来の性能を活かしきれない場合もあると思います。実際Netscape 6はGeckoの恩恵をどのように受けているのでしょう?
「Gecko」の秘密
米Netscape社のGroup Product Manager for Tools and Component Eric Krock氏 |
[Krock氏]
Geckoのメリットは、まず「小さい」ということです。Geckoそのものののファイルサイズは3MBです。それによって、Netscape 6のブラウザは7MBになりました。ですから、ダウンロードも楽になるでしょう。
さらにパフォーマンスも優れています。WebではTableがよく使われますが、Tableレンダリングのパフォーマンスはすごくいいのです。
さらにパフォーマンスも優れています。WebではTableがよく使われますが、Tableレンダリングのパフォーマンスはすごくいいのです。
たしかに、Tableのパフォーマンスについては、Netscape 6 PR2の発表時に複雑な構造のテーブルを読み込んで、すぐに表示するデモンストレーションが行なわれた。また、Table表示の遅さは、従来のNetscape Navigatorでもっとも不評だった部分でもある。
2000年4月6日の説明会では、テーブルのレンダリング速度をデモンストレーションした |
[Krock氏]
さらに、ほかのレンダリングエンジンに較べると、スタンダードにしっかりと準拠しています。
- HTML 4.0
- CSS1(Cascading Style Sheets Level 1)
- DOM 1(Document Objecrt Model Level 1)
- XML 1.0
- RDF(Resource Description Framework)
[Krock氏]
さらに、CSS 2やDOM 2もサポートしています。
また、こうしてさまざまなスタンダードに対応しているばかりではなく、Geckoは複数のプラットフォームにも対応します。WindowsやMacintosh、Linuxなどです。ですから、どのプラットフォームにもスタンダード対応の環境をもたらすことが可能なのです。
こうして各プラットフォームにスタンダードが浸透すると、Webデベロッパにもメリットが出てきます。たとえば、Webメールのグリーティングカードは人気がありますが、デベロッパはなかなか開発できなかった。なぜなら、ブラウザがスタンダードに対応していなかったため、受け取る人の環境によってはうまく見ることができなかったからです。
Netscape 6は各スタンダードを忠実にサポートしているので、スタンダードの技術だけを使って、豊かなアプリケーションを開発できるわけです。
しかも、既存のデバイス(機器)だけではなく、これから出てくるデバイスでもアクセスできる。米Netscape Cmmunications社の親会社である米AOL社と、コンピュータメーカーの米Gateway社が発表したWebアプライアンスも、Geckoを搭載していますので、標準技術で作成されたWebコンテンツならば、Netscape 6と同様にアクセスできます。
また、こうしてさまざまなスタンダードに対応しているばかりではなく、Geckoは複数のプラットフォームにも対応します。WindowsやMacintosh、Linuxなどです。ですから、どのプラットフォームにもスタンダード対応の環境をもたらすことが可能なのです。
こうして各プラットフォームにスタンダードが浸透すると、Webデベロッパにもメリットが出てきます。たとえば、Webメールのグリーティングカードは人気がありますが、デベロッパはなかなか開発できなかった。なぜなら、ブラウザがスタンダードに対応していなかったため、受け取る人の環境によってはうまく見ることができなかったからです。
Netscape 6は各スタンダードを忠実にサポートしているので、スタンダードの技術だけを使って、豊かなアプリケーションを開発できるわけです。
しかも、既存のデバイス(機器)だけではなく、これから出てくるデバイスでもアクセスできる。米Netscape Cmmunications社の親会社である米AOL社と、コンピュータメーカーの米Gateway社が発表したWebアプライアンスも、Geckoを搭載していますので、標準技術で作成されたWebコンテンツならば、Netscape 6と同様にアクセスできます。
[編集部] ところで、Netscape 6に搭載されているGeckoのバージョンは、どうなっているのでしょうか?
[Krock氏]
まだGeckoは独立したコンポーネントというわけではないので、バージョンナンバーはありません。「Netscape 6と一緒にリリースしたGecko」ということです。今後は、Mozillaプロジェクトと一緒に進化していくでしょう。
[編集部]
今お話に出た、オープンソースでWebブラウザの開発を行なうMozillaプロジェクトは、今後どうなるのでしょうか?
[Krock氏]
私はMozillaプロジェクトとは直接仕事をしていたわけではないのですが、ロードマップが9月に公開されました。それによると、あと6カ月で1.0をリリースする予定です。この1.0には、Netscape 6(の基本機能)+「オープンソースソフトウェア」による機能を搭載したものになります。
Mozilla.orgにアクセスすると、MozillaとNetscapeのロードマップを見ることができる |
[編集部]
お時間になってしまいました。最後に、Netscape 6はオープンソースのMozillaが母体になって開発が進められているわけですが、日本のデベロッパも貢献されていると聞いているので、教えていただきますか?
[Krock氏]
オープンソースのシステムと世界中のデベロッパのおかげで、品質の良い物ができました。日本の方からもずっとフィードバックをもらってきました。これによって、日本語化の問題がわかって、品質の高い日本語対応ができたのです。日本のデベロッパは非常にMozillaへの興味が高く、100人以上のデベロッパが参加しました。
[編集部]
Krockさん、ありがとうございました。