今回試用するのは、(株)東芝の「dynabook SS RX2/T9HG」(以下SS RX2)だ。高付加価値型のモバイルノートとしてよく知られる、dynabook SSシリーズの最新モデルにあたる。
Netbook全盛の時代に、30万円前後という価格の価値はあるのか? 最新ビジネスノートの実力をチェックしてみよう。
SSD 128GBでも買いやすい価格に?
メモリーもインターフェースも「フル装備」
SS RX2は、薄型・軽量dynabookシリーズ「SS RX」の2世代目にあたる。初代「SS RX」こと「RX1」が登場したのは、2007年春のこと。薄型/軽量よりも、「SSDを本格的に採用したノート」である点の方が印象的なモデルであった。2008年3月には、世界で初めて128GBのSSDを内蔵し、「ハイエンドノートはSSD」というイメージをより明確なものとした。
だが128GBの高速SSD採用モデルということもあり、当時は価格も40万円を超えるなど、手を出したくても手が出ないレベルであった。
SS RX2は、同じ128GBのSSDを採用していながらも、価格が30万円程度と大幅に下がった。1年間の間にSSDの価格が下落したことを反映してのものだろうが、それだけで10万円も安くなるわけではない。おそらくは、SSDの供給元でもある東芝自身が、それなりに戦略的な価格を設定している、という面があるのだろう。
前モデルや、同一機種のHDD搭載モデルと同時の試用ができなかったので、最新モデルでのSSDの性能を詳細に検討することはできなかったが、体感できる限りでは、「SSDならではの快適さ」は維持されていた。
SSD以外の特徴と言えば、「薄型軽量でもフル機能のノート」という点だろうか。
長時間動作用の6セルバッテリー「63A」を搭載した場合でも、重さは約1053g。軽量な3セルバッテリー「32A」では約933gと、12型クラスのノートとしては最軽量クラスであるにも関わらず、光学ドライブからPCカードスロット、有線LANなど、一般的なノートに必要なものはすべて搭載している。
しかも今回試用した「T9HG」の場合は、auのワイヤレスWAN機能も内蔵する(下り最大2.4Mbps)。ニーズとしてはまだ微妙だが、外付けHDD用のeSATA端子(USB兼用)も搭載しており、インターフェースや通信手段の面で不満を感じることはまずないだろう。
メモリーも標準で3GB搭載しており、32bit版Windowsで利用することを考えれば問題はない。メモリーの増設がいらず、インターフェース面での「増設」もせずに使い続けられるというのは、高価な製品を購入するわけだから、安心感を感じられてありがたい。
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