このページの本文へ

西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第19回

薄型モバイルdynabook SSはNetbookに勝てるか

2009年02月23日 10時00分更新

文● 西田 宗千佳

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

CPUクロックは低いが性能に問題なし
「バックライトオフ」で長時間動作も

 SS RX2で採用されているCPUは、Core 2 Duo SU9300。超低電圧版CPUで、クロック周波数は1.20GHzだ。1.20GHzというのは、現状のCore 2 Duoのラインナップを考えると、少々低い値である。だがビジネスアプリケーション向けの製品である、ということを考えると、不満が出るほどのものではない。

 プレインストールOSはWindows Vista Businessだが、動作速度面での不満は感じなかった。SSDと3GBのメモリーが効果的に働いているためだろう。Vista Experienceインデックスは「3.2」と低いが、足を引っ張っているのは相変わらずグラフィックである。

Vista Experienceインデックスは「3.2」

Vista Experienceインデックスは「3.2」。CPUクロックの低さはそれほどマイナス点ではないが、「4.4」はすでに速いと言える値ではない

 Vista Businessを採用しているため、SS RX2はWindows XPへのダウングレード対象となる。そのためWindows XP Professionalのメディアも付属する。パフォーマンスが気になるなら、こちらへ入れ替えて利用してもいいだろう。XP用のドライバーがしっかり用意されているというあたりも、「いかにもビジネス用のモバイルノート」という印象が強い。

 試用してみると、さすがに消費電力の低いCPUを採用していることもあってか、発熱も低い。本体左側に発熱部と排気部が集中しているせいか、左側と右側で大きく発熱が異なる印象があるものの、不快と感じるほどではない。

各部の温度 放射温度計による測定、室温は19℃。高負荷時のデータは、H.264の動画再生時に計測
パームレスト左 パームレスト右 底面の最大発熱部 排気部 キーボード
アイドル時 約26度 約24度 約28度 約30度 約26度
フルパワー時 約32度 約30度 約33度 約35度 約30度

 バッテリー駆動時間も優秀といっていい。バッテリー駆動時間計測ソフト「BBench」でチェックしてみたが、6セルの「63A」を使った場合、最長で5時間半程度動作した。

バッテリー駆動時間の計測結果

バッテリー駆動時間の計測結果。「BBench」にて計測。設定1:出荷時設定、バックライト輝度最高。設定2:出荷時設定、バックライト消灯

 ただし、この結果はSS RX2ならではの「バックライト完全消灯」を生かした結果である。SS RXシリーズは一般的なノートパソコンと違い、半透過型の液晶ディスプレーが採用されている。そのため、直射日光などの外光が強い環境では、LEDバックライトを切って消費電力を削減できる。キーボード右上には、バックライトを完全消灯するためのボタンが用意されているほどである。元々直射日光の下では、バックライトは見づらくなるものなので、消費電力を下げることだけでなく、視認性確保にも効果がある。

キーピッチは19mmで、タイプ感は快適

キーピッチは19mmで、タイプ感は快適。右上にある小さな2つのボタンは、バックライトオフ(右)と、プレゼン用設定呼びだし(左)に使う

 蛍光灯下の屋内では、いかに半透過とはいえバックライトを切ると、暗くて画面が見えない。実用性を考えると、「いつもバックライトオフ」というわけにはいかないだろう。

 とすれば、63A利用/無線LAN通信といった利用形態の場合は、5時間を超える程度のバッテリー駆動時間となるだろう。とはいえ、それでも十分に長時間である。1kg前後の製品でこれだけ動作すると考えれば、満足すべき結果と言っていいだろう。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン