写真を撮る新しい楽しみが人生に加わる
先ほど紹介した2機種に加え、個性的なデジタルフォトフレーム合計4台を編集部にて一通り試してみた。デジタルフォトフレームは現在、結構な数の製品が出ており、写真を表示するという機能では共通しているが、まだまだ発展途上にある製品だ。また、機種ごとに付加機能があったり、筐体に工夫を凝らしていたりと、それぞれに特徴がある。
あれこれ設定してみて多少気になったのは、どの製品もパソコンに比べてやや動きがもっさりしている点だ。考えてみれば、もともとフォトフレームはスライドショーを表示するのがメインで、アルバム編集などの設定作業を行うのは最初の設定時だけだし、あくまで家電なのだからコストはギリギリに削るという事情があったのだろう。
それから、一通り写真を表示させてみたが、デザインの差以外に液晶の差があるようだ。ソニーのCP1はグレア液晶を採用していて見た目の美しさは抜群なのだが、光の向きによっては画面が光って多少見辛いのではないかと感じた。液晶の視野角も製品によって結構差があり、好みの製品に行き着くためには実際に店頭で触ったほうがよさそうだ。
最後に、編集部がこれは面白いと思った4機種を紹介してみる。
ソニー Canvas Online CP1
800×480ドット/約1677万色表示に対応した7型ワイドパネルを搭載。無線LANを搭載しており、ネット経由でオンライン写真共有サービスの写真を表示できたり、逆にアップロードできるなど、単に写真を表示する以上に踏み込んだ使い方ができる。音楽ファイルはMP3とWAVに対応。対応メディアは、コンパクトフラッシュ、SDHCカード、メモリースティックPro Duo。ASCII.jp価格比較によれば、最安値は2万6500円前後。
ドリームメーカー DMF035W
3.5型・解像度320×240のディスプレイを採用した、コンパクトサイズのフォトフレーム。4GBメモリのほかUSBポートを搭載しており、対応するメディアはSDHCカード/MMCの3種類だ。USBバスパワーのほか、ケーブルレスのバッテリ駆動に対応しているため、まさに写真立ての感覚で使える。際だった機能はないが、シンプルに写真表示機能だけを楽しみたいという人にオススメだ。ASCII.jp価格比較によれば、最安値は6700円前後。
トランセンド T.photo 720
800×480ドットの7型ワイドディスプレイを採用、余裕の2GB内蔵メモリを搭載しており、ネットの売り上げランキングでは常に1~2位を争う人気機種だ。画像表示だけでなく、音楽再生(MP3、WMA、WAV)や動画再生(MPG、AVI、3GP、MP4)もできて、さらに縦表示にまで対応する。対応メディアも、SDHCカード(micro対応)/MMC/MS pro/コンパクトフラッシュと幅広いのが魅力だ。ASCII.jp価格比較によれば、最安値は1万2400円前後。
テクタイト Vredefort SDP-708
7型ワイド・800×480ドットのディスプレイを搭載、ちょこんとした姿はフォトフレームのようでありながら、テレビのようでもある。画像表示は当然として、音楽再生(MP3)や動画再生(モーションJPEG、MPEG4 SP)にも対応している。液晶はブラウン管や本物の写真に比べて視野角が狭いので、画面がかなり自由に動かせるところがなかなか便利ではないだろうか。メディアは、SDカード/コンパクトフラッシュ/MMCなどに対応。ASCII.jp価格比較によれば、最安値は1万3000円前後
総じて見れば、デジタルフォトフレームは製品ごとにコンセプトが微妙に異なっていて、どこを重視するかで選ぶ製品が変わってくるように感じた。筐体のデザインも、電気製品として見るならさほどの差は感じないかもしれないが、家具のひとつとして考えた場合、好みが大きく分かれる部分だろう。
デジカメで写真を撮ることが当たり前のようになってきている昨今、新しい写真の楽しみを生み出してくれるコミュニケーションツールとして、デジタルフォトフレームは面白い存在と言えるのではないだろうか。