フォトフレームでデジタル写真を飾るという楽しみ方もかなり普及し、フォトフレーム製品のほうも単にメモリーカード画像を再生するだけでなく、パソコンのUSBディスプレー機能や無線LANによるネット接続など多彩な機能を持つようになった。
そのなかでもユニークなのは、これまでの紙焼き・印刷媒体とデジタルデータの連携を試みた製品。すなわち、スキャナーとプリンターをそれぞれ搭載する製品だ。正月に届いた大量の年賀状をデジタルデータにしたり、帰省先で撮ったデジタル写真をフォトフレームから印刷したりと、便利そうだ。
手持ちの写真や絵葉書もフォトフレームに
エグゼモード YASHICA DVF828
「YASHICA DVF828」(実売2万5000円前後)は本体にシートフィードタイプのカラースキャナーを内蔵したユニークなフォトフレームだ。本体底部の厚くなっている部分がスキャナーとなっており、最大でハガキサイズ(100×150mm)の原稿を差し込んでスキャンし、内蔵1GBメモリーに保存できる。もちろん他のフォトフレームのようにメモリーカードスロットも備え、SD/CF/メモリースティック Duoなどの画像データも取り込める(その他のメディアは要アダプタ)。
スキャナー解像度は標準で150dpi、高画質で300dpi、ほぼハガキサイズの画像をスキャンした場合、標準で857×597ドット、高画質で1795×1200ドットとなる。スキャン時間は標準で5~6秒、高画質で9~10秒程度と、最新のドキュメントスキャナーと比べても遅いという印象はない。いずれにせよ、搭載する8型液晶パネルの表示解像度は800×600ドットなので解像度的には十分なほか、取り込んだ画像の左右回転や明るさ/彩度/コントラスト調整なども行なえる。
USBは2ポート用意され、パソコンと接続することもできればプリンターを接続して印刷することもでき、パソコンと接続した場合はマスストレージとして本体内メモリーを参照、メモリーカードスロットのカードリーダーとしても利用できる。
ただしパソコンからスキャナーとして利用するためのドライバーは用意されない。また、パソコンに接続すると接続専用モードとなって画面が固定され、フォトフレームなど他の機能は一切使えなくなるため、データ転送などのためにいちいちUSBを抜き差ししなくてはならない。
表示機能としては、写真および音楽・動画再生のほか、カレンダー/時計表示(画像のスライドショー表示付き)も用意されるのだが、カレンダー/時計表示のパターンも1種類のみなどバリエーションにやや不満が残る。
自分で撮ったデジタルカメラ画像だけでなくネットで入手した画像を飾るなど、フォトフレームの楽しみ方はさまざまだが、スキャナーを内蔵することで絵ハガキや印刷物の切り抜きなども取り込めるようになる利点は大きい。
もちろんフラットベッドスキャナーなりドキュメントスキャナーを併用すればよいわけだが、それほど多用しなければ導入しにくいのも確か。本機では普段はフォトフレームとして使い、必要に応じていつでもスキャンできる環境を手元に置けるのは確かに魅力で、しかもスキャナー部の組み込みによってさほどかさばるサイズ・形状になっていないのは高く評価できる。
フラットベッドスキャナーやドキュメントスキャナー、複合機を使いこなしている人にはなにをいまさらと思われるかもしれないが、受け取った絵ハガキや年賀状なども電子化しておけば整理・活用が可能なはず。紙焼き写真を写真立てに飾るための用途だけでなく、アイデア次第で活用できるアイテムと言えるだろう。
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