デジタルフォトフレーム市場が盛り上がりを見せている。調査会社のGfK Japanによると、2008年の市場規模は2007年の3倍を超える勢いで拡大しているそうだ。そんな市場を牽引するのが、5月に「S-Frameシリーズ」と「CP1」といった切り口の違うデジタルフォトフレームを投入した、ソニーだ。
過去の教訓を活用したソニー
実はソニーは1999年に一度デジタルフォトフレーム市場に参入し、撤退している。今回の市場参入は正確に言えば、再参入なのだ。
「当時のデジタルフォトフレームは価格が10万円と高く、さらにユーザーのデジカメ普及率も低かった。ケータイで写真を撮る習慣もないため、所有しているデジタル画像もいまと比べ物にならないくらい少なかった。タイミングが早すぎた」と、ソニーのデジタルイメージングマーケティング部 パーソナルイメージングMK課 統括課長 川野浩一氏は分析する。
しかし、現在デジタルカメラ市場は広がりを見せ、自分の自慢の作品や家族の成長を記録として残した写真データが大量に眠っている。写真がたくさんありすぎて、整理できないユーザーも多いだろう。そんなときリビングやオフィスの机に置いてあるデジタルフォトフレームに何百枚もの写真が入れて、スライドショーで表示させておく。ふとした拍子に目に飛び込んでくる写真で、「あの時こんなことがあったな」と懐かしい思い出が蘇える。そんな使い方が受けているようだ。