ウェブアルバム接続で広がるプレゼントのアイディア
さらに触っていて気になったソニーCP1とトランセンドT.photo 720を借りて、自宅でさらに使い込んでみることにした。この2機種はユーザーの注目度が高く、特にT.photo 720は価格調査サイトなどで常に売り上げ1~2位にいる人気商品である。この両機種を使い込んでみれば、注目を集めている秘密が分かり、ひいては皆がデジタルフォトフレームに期待しているものが見えてくるのではないだろうかと思った次第である。
考えてみればこの2台はかなり対照的な製品だ。ソニーCP1はおしゃれなデザインにネットサービスとの連携などの先駆的な機能を搭載した高級機のイメージ。片やトランセンドのT.photo 720は、2GBのメモリや動画再生機能に縦表示など豊富な機能を搭載しつつ、CP1よりも1万5000円ぐらい安いリーズナブルな製品である。無理矢理例えてみるならば、iPodとiRiverといった感じであろうか?
CP1でまずウェブへの接続機能を試してみた。ネットワークを介してYahoo!ニュースが配信される。詳しく見たければ、「Opera」のブラウザを立ち上げることもできる。
また、Picasa Web Albumにつなげてみたのだが、リモコンでの設定操作は正直面倒で、これだけでネットに詳しくない人は脱落してしまうのではないかと思ってしまった(念のため、CP1はワンタッチで無線LAN設定ができるAOSSに対応しているので、対応無線LAN機器を持っている人はもっと楽に設定ができる)。
ただ、ウェブアルバム接続機能は先駆的な試みだけに、これまでにないアイディアがいろいろと思い浮かぶ。たとえば、遠隔地に住む親にウェブアルバムへの接続設定済みのCP1をプレゼント、毎日孫の写真をアップロードして、メモリカードの差し替え無しに写真を届ける、など。プレゼント相手によって、いろいろなアプローチが思い浮かぶ。こういった新しいアイディアが情報家電の新しい方向性につながっていくのではと、筆者的にはかなり興味深かった。
デジモノらしさを残したT.photo 720
対してT.photo 720は、先駆的と言うよりはユーザーの想定範囲内にある製品といえる。USBケーブルでパソコンにつなげばUSBマスドライブとして認識されるので、ファイルを転送するにはそのまま写真をコピーすればいい。内蔵メモリが2GBもあるので、動画を再生したい場合も、かなり余裕がある。いかにもデジモノという筐体が物語るとおり、どちらかといえばパソコン側の発想から作られた製品という気がした。
メニュー画面はどことなく垢抜けないイメージがしたが、インターフェース的には悪くない。たとえば、背面の脚が回るのを見て縦表示ができるらしいと、一生懸命リモコンを押しながら設定を探してみようとしたのだが、そのまま縦に置いてみたら自動で縦表示に切り替わった、ということがあった。こういったユーザーフレンドリーな作り込みは、思わず拍手したくなった点だ。動画と違って縦に撮ることも多い写真を、縦表示できるのもうれしい。
T.photo 720は、CP1の先駆的な部分と比べるとやや地味ではあるが、総じて見れば多彩な機能をうまくまとめているし、ちょっとパソコンが扱える人なら製品コンセプトをすぐに理解できるだろう。値段が安いと言うこともあるが、機能面での分かりやすさが人気に直結したというところではないだろうか。