消費電力
最後はワットチェッカーにてシステム全体の消費電力を計測してみた。「アイドル」はWindowsが起動して30分放置した時点、3DMark06はPixel Shaderを5分間連続実行した時の最大電力、WMVエンコードはTMPGEnc 4.0 XPressにてAVIファイルをWMVにエンコードした際の最大電力をそれぞれ計測した。
アイドルおよび3DMark06での消費電力にはそれほど差は無いものの、WMVエンコードではNano L2200がAtom 230/330に比べて10Wほど高く、C7時代に保っていた「低消費電力」という点でIntelに負ける結果となってしまった。
消費電力(単位:W) ←better
コストパフォーマンスは微妙なVB8001
買うならAtom 330か?
総じて言えることは、Atom 330はやはり速かった。とはいえゲームをするには、少々厳しく、インターネット用端末としてのパフォーマンスは申し分ないものの万能選手ではない。またAtom 330を搭載するD945GCLF2にはメモリスロットが1つしかないという弱点がある。多くのユーザーが余らせてると思われるメモリは大抵は2枚単位であり、メモリの使いまわしを考えると決め手に欠ける。
ゲームを考えると、PCI Express x16スロットを持つVB8001に大きなアドバンテージがあるが、CPUパフォーマンスも必要なゲームとなると、ビデオカードのパフォーマンスを引き出せない場合もあることは覚えておく必要があるだろう。ついでにビデオカードを差してしまうと、ウリであるはずの省電力がスポイルされてしまう。またCPUパフォーマンスはAtom 230をわずかに上回る程度。これで価格が安ければお勧めできるかもしれないが、VB8001の実売は1万7~8千円、Atom 330を搭載するD945GCLF2は高くても1万1千円程度で購入でき、その差は6千円以上ある。メモリスロット2本にPCI Express x16スロットという点に魅力を感じるものの、この価格差は看過できないだろう。
一昔前、Mini-ITXと言えばC7(またはEden)だったことを考えればIntel系の選択肢がグッと広がった点は小さいマザーボードが大好きな人たちにとって、ありがたい。しかしいずれのマザーボードも何か決定打に欠けることも確か。願わくばAtom 330でDIMM×2、PCI Express x16、ディスプレイ出力はDVIというマザーボードの登場を望みたい。

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