このページの本文へ

次世代Windowsの姿が見えた! 第15回

UIとグラフィックスの改良 Windows 7の実像 Part 3

2008年11月11日 18時43分更新

文● 山本雅史

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

クイック起動やサムネイル表示など、
大幅に改良されたタスクバー

新しいタスクバーとサムネイル表示

新しいタスクバーとサムネイル表示

 Windows 7で最も変わったのがタスクバーだ(関連記事)。Windows 7では、起動しているアプリケーションは、タスクバー上のボタンにアイコンとプログラム名で表示されるのでなく、大きいアイコンだけで表現される。さらに、同じプログラムを複数起動している場合は、アイコンが複数重なって表現される。これにより、同じプログラムが複数起動していることが分かる。

 マイクロソフトでは、タスクバーに置かれるアイコンは、「できるだけビジュアル的なイメージを作成してほしい」としている。例えば、マウスポインターをタスクバーのアイコンに持ってくるだけで、アイコンのバックグラウンドカラーが変わるようにしてほしいといった、ガイドラインを出している。

 タスクバーに置かれたアイコンは、単に実行中のプログラムを表しているのではない。プログラムの動作に応じてアイコンを変更することで、Vistaの通知領域アイコンと同じような機能を実現する。

タスクバーのアイコンは、アプリケーションの状態を表す機能も持つ

タスクバーのアイコンは、アプリケーションの状態を表す機能も持つ。従来までのWindowsの通知領域アイコンと同じだ

タスクバーのアイコンにプログレスバーが表示される

ファイルをコピーするときには、タスクバーのアイコンにプログレスバーが表示される

 このような仕組みに変わったのは、VistaまでのWindowsではさまざまな部分にアイコンが配置されていたため、ユーザーにとって分かりにくかったためだ。例えば、プログラムを起動するショートカットは、デスクトップ上やクイック起動に登録される。また、タスクバーの右側の通知領域にはアイコンが並び、動作中のプログラムの状態が表示される。

 Windows 7では、タスクバーに表示されるアイコンに各種機能を統合しようとしている。タスクバーにあるアイコンを見れば、プログラムがどのような状態か一目で分かるようにする。例えばインスタントメッセンジャーなら、オンラインなのかオフラインなのかの表示もタスクバーのアイコンで表示する。

 またWindows 7のタスクバーでは、Vistaのようなクイック起動は用意されていない。ユーザーが必要なプログラムのショートカットをタスクバーにドラッグ&ドロップすれば、クイック起動と同じように使える。

 同じプログラムを複数起動している場合、その中から任意のプログラムをどう選択するのか、という点が問題になる。Windows 7では、タスクバーのアイコンにマウスのポインタを合わせると、タスクバーの上にプログラムのサムネイルが一覧表示される(Vistaでは1つのサムネイルしか表示されなかった)。ユーザーはこのサムネイルを見て、表示したいプログラムを選択する。

 Vistaでは、6つ同じプログラムを起動しないと、グループ化は行なわれなかった。しかしWindows 7では、2つ以上でグループ化される。また、Internet Explorerでタブを使用してウェブページを複数表示している場合でも、タブごとにサムネイルが表示されるため、簡単に選択できる。表示するサムネイルの数が画面の横幅を超えた場合は、マウスを左右に動かしてサムネイルをスライドさせる。

IE8は複数のタブをそれぞれ別のサムネイルとする

IE8は複数のタブをそれぞれ別のサムネイルとして、横に一列で表示する

 また、サムネイル上にプログラムの操作ボタンなどを配置できる。ただしこれは、アプリケーション自体がWindows 7のタスクバーに対応する必要がある。Windows 7に同梱されているWindows Media Player12(WMP12)では、サムネイルに操作ボタンが表示される。再生や停止、スキップなどの操作を、サムネイルで行なえる。

WMP12のサムネイルには操作ボタンがついている

WMP12のサムネイルには操作ボタンがついている。簡単な操作はサムネイルで行なえる

サムネイルでの操作に関する説明スライド

サムネイルでの操作に関する説明スライド

WMPのアイコンを右クリックするとジャンプリストが表示

タスクバーにあるWMPのアイコンを右クリックするとジャンプリストが表示される。WMPのジャンプリストでは、過去に再生した音楽などが表示される

 タスクバー上のアイコンを右クリックすると、Windows 7で追加された「ジャンプリスト」が表示される。

 ジャンプリストはミニスタートメニューといった機能を持つ。プログラムを起動するだけでなく、最近利用したドキュメント(ファイル)や一般的なタスクなども表示される。これにより、過去に利用したファイルに簡単にアクセスできる。

 ジャンプリスト自体はアプリケーション側で項目を追加できるので、アプリケーションに応じたジャンプリストが作成できる。

過去にアクセスしたファイルなどを表示できる

ジャンプリストでは、そのアプリケーションが過去にアクセスしたファイルなどを表示できる

ジャンプリストの構造例

ジャンプリストの構造例。アプリケーション開発者が拡張できる

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン