レベル別設定になったUAC
Windows 7とWindows Vistaを比較して、セキュリティー面で最も大きく変わったのがUAC(ユーザーアカウント制御)だ。Vistaではオンかオフしかなかったが、Windows 7では4段階の“レベル”を選択できる。
レベルのひとつ「Always Notify me and wait for my response」(上の画面)は、最もセキュリティーが高いもので、VistaでのUACがオン状態と同じだ。プログラムをインストールしたりWindowsの設定を変更しようとすると、必ず注意ウインドウ(承認を求めるダイアログ)が表示され、管理者ユーザーによる確認が必要になる。
次の「Always Notify me」は、上のレベルとほぼ同じところで承認ダイアログが表示されるが、画面は暗転しない。
その下にあたる「Only notify me when programs try to make changes to my computer」では、Windowsの設定を変更する場合(例えばコントロールパネルからの設定操作)は、承認ダイアログを出さない。そのかわり、通知領域の上に小さな承認ダイアログを表示する。アプリケーションインストール時には、承認ダイアログが表示される。
お詫びと訂正:掲載当初、「ユーザーの確認は必要としない」としておりましたが、正しくは確認を必要とします。また、「通知領域の上に小さな注意ウインドウを表示」とありましたが、ここは警告表示だけで、承認は不要です。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2008年11月7日)
「Never notify me」では、常に承認ダイアログの表示を行なわない。UACオフと同じ状態だ。
UACがこのように変わったのは、Vistaでの動作が多くのユーザーにとってあまりにもわずらわしかったからだ。なにかにつけていちいち承認ダイアログが表示され、ユーザーの認証が必要になるため、非常に評判の悪い機能だった。セキュリティー面を考えれば、UACのようなシステムは必要に思える。しかし、あまりにも頻繁に承認ダイアログが表示されるのはいかがなものか。
Windows 7でUACのルールが変更されたのは評価できる。しかし、設定に関してはもう少し自動化しないと、初心者だけでなく、エキスパートにとっても、結局は面倒なものになってしまうだろう。
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