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つなげ!オンガク配電盤 第5回

KORG DS-10──生みの親・佐野信義氏に挑戦

2008年10月19日 12時00分更新

文● 四本淑三(powered by 武蔵野電波)

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ノーベルスリーの「素粒子」


こんな感じですかねと、音作りを始める佐野さん

今回佐野さんが使ったスネアの音。「逆にフィルターが開いていく80年代風の設定」ということで、ぜひ参考にされたし

 というわけで実にポジティブな佐野さんなのだが、セッションもそんな感じでスタート。

 佐野さん曰く「合奏のノウハウと呼ぶほどのものは持っていない」「でも3人くらいだと適当にやってても、それっぽくなるんですよ」ということなので、BPMとキーだけ決めて、いきなり音を出し始めたのだが、これが意外といけちゃったのだ。

 ちなみに連絡ミスから船田さんは今回のセッションに参加できず、急遽、ASCII.jpの小林編集長が参加。セッション初体験で、DS-10の操作も中川さんに助けてもらいつつという状態だったが、これがまた意外といけちゃったのだ。

 それはやはり佐野さんのおかげで、まずオクターブが上下するだけのベースパターンで始めてくれたこと。おかげでスケールやコードは他の2人が自由に決められた。まず絡みやすいパターンで始める。これがポイントらしい。大喜利みたいなもので、いきなり難しいお題を出されても困ってしまうわけだ。

 その後、佐野さんが手でフレーズを弾く、編集長がシーケンスパターンを鳴らす、それを見ながら私がワンショットを入れるという感じで進行。互いの出方を見ながら、全員の意図が一発でも合う瞬間があると、なんだか非常なカタルシスが得られる。この辺は普通のバンドと変わらない。

 シンクロについてはマルチプレイモードで一斉に合わせる方法もあるが、途中でブレイクを挟みたい時、パターンのポン出しをしたい時もある。だから手シンクの方がなにかと便利のように感じた。今回は完全に手シンクだった。

 音色については、佐野さんは弾きながら設定を変えていた。いや、正確に言うなら、喋って弾いて音を作るという、3つの動作を同時にやっていた。佐野さんのように人の音を聴いて、褒めて、合わせて、進行するというコンダクター役の人がいると、たいていは上手くいくだろう。

 そういう約1時間に渡るセッションの模様を編集でまとめてみた。佐野さんの命名により曲名は「素粒子」、ユニット名は「ノーベルスリー」に決定。素粒子研究の権威、南部陽一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんらがノーベル物理学賞を受賞したことにちなんだものだ。

 なお取材終了後の10月8日夜に、下村脩さんの化学賞受賞が伝えられたが、物理学賞の南部氏はアメリカ国籍なので、ノーベル賞を受賞した日本人3人。だからノーベルスリーの名前に変更なし。

 それでは皆さん、DS-10 EXPOでお会いしましょう!

 僕らはビビッてます!


俺らは誰か!? そして何をするのか

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電子工作からバンド演奏までさまざまな活動を行なうユニット。各活動に共通するテーマは「電気が通ること」。アナログ・デジタル問わず、電気が通って楽しいことなら、何でもやる覚悟。発起人のスタパ齋藤、船田戦闘機、上杉季明に加え、四本淑三、大木真一が参画中。

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