ライターでもない、記者でもない一介の女子社員が、IT業界を含め、各界の著名人に体当たりインタビューをして話題を呼んだブログ「VIVA!桜子の超気まま日記」。ASCII.jpでは、ブロガー桜子氏に超気まま日記のASCII.jp版インタビューをお願いした。経営戦略の話よりも、もっと身近な、仕事への考え方や生活スタイルについて、桜子氏が聞く連載第5回目。
コンサル業界の長嶋茂雄、と岡本一郎を称した人がいた。彼の一風変わった人柄は、今回までの経緯からも垣間見える。
「今週はマーヒーだけど」
新書『グーグルに勝つ広告モデル』の著者で新進気鋭のコンサルタント岡本一郎氏とは、8年前に知人を介して知り合った。詳細は省くが、ある価値観が一致したために意気投合して以来すっかり親しくなり、本を一緒に出そうかと共著企画を練ったほどの仲である。
いまどきヒマをマーヒーと表現するセンスに吹き出しつつ、リクエスト通りの日に会うことが決まった。が、問題はそれから。「お昼に東京駅で」という彼からのレスを最後に連絡が途絶えた。お昼とは何時からで東京駅のどこかと焦る私に、約束の前日になってもうんともすんとも言ってこない。
結局、さんざん大騒ぎしてギリギリで連絡が取れたのだが、向こうはなぜ私が慌てていたのかよく分かっていないようだった。
20代は凹みをなくし、
30代は強みで勝負しろ!
その当人は、会うなり謝ってきた。私からのメールが“Subject:桜子超重要”だったため、少しは悪いと思ったらしい。
岡本 でもさ、いつものことでしょ。もう慣れているでしょ
役員が来たとき床屋で散髪中だったとか、プレゼンの日を忘れていたとか、相手や対象を問わずうっかりやってしまう失敗があるらしい。
桜子 抜けているんだよね。なのに、よく今まで会社員でいられたよね。凄いですよ。私もね、岡本さんを見ていると励まされるの。もっと力を抜いた社会人として生きるぞ! って。
岡本氏は、慶大卒業後、大手広告代理店で勤務する傍ら、渋谷の某IT企業のスタートアップを手がけたキレ者で、外資系の大手コンサルタントを経て独立した38歳、現在2児の父である。
岡本 それね、年齢によると思う。この歳になると基本は強みで勝負。苦手なものは人の力を使っていかにリカバーするか!出っ張り引っ込みってあるでしょう?これ、商品もそうなんだけど。凹こんでいる所を人並みにしていく、というのは20代までの話だよね。
彼の20代はどんなに優秀だったのか。期待して訊ねると、社会人には向いていないと思った時期があると言う。
次ページ「ダメダメ社員だった大手広告代理店時代」に続く

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