ライターでもない、記者でもない一介の女子社員が、IT業界を含め、各界の著名人に体当たりインタビューをして話題を呼んだブログ「VIVA!桜子の超気まま日記」。ASCII.jpでは、ブロガー桜子氏に超きまま日記のASCII.jp版インタビューをお願いした。経営戦略の話よりも、もっと身近な、仕事への考え方や生活スタイルについて、桜子氏が聞く連載第1回。
「VIVA!桜子の超気まま日記」を書き始めて5年経つ。その中で読者の役に立つ記事を書きたいと単身インタビュー「桜子の部屋・お友達の輪」を企画した。周囲の社長や著名人が途絶えたら終了、と何の気負いもなく始めた。「モバゲー」でお馴染みの南場社長やクレディセゾンの林野社長、コロムビアの廣瀬社長、タレントの蛭子能収さんにもお会いして、昨夏は遂に社費でITの聖地シリコンバレーへインタビューに行く。iPhone発売の翌日にアップル本社で話を聞き、アルファブロガーの渡辺千賀氏にもお会いした。
一人で細々と始めた割にここまで来たという感の一方、単独で個人としてやることの閉塞感もあった。そんな折ASCII.jpが声をかけてくれた。なんという幸運! だったらこの方は? と東大卒31歳を推す。産経新聞iza!ブログで純国産検索エンジンの「サグール」を開発したチームラボ株式会社を率いる、背が高くワイルドな風貌の社長だ。写真を見てもルックスが良い。初回からミーハー魂全開に、第1回目は猪子寿之さんでと決めた。楽しい話をいっぱい聞こうと気合いを入れて臨むが、開始早々、話は思いもよらぬ方向へ飛んでいく。

チームラボ株式会社 代表取締役社長 猪子寿之(いのこ・としゆき)
日本の将来を担う決意をした中学時代
小学生の頃、夢を問われたら(親の後を継ぐから)「将来は歯科大学に行く」と答える子供だった。それが中学生になると、「日本を再生しろ」という『電波』が来たから考えは変わったという。その『電波』とは何か。書物か人物か何かの影響を受けたに違いない。尋ねると彼は言った。
猪子 「電波―――来ない??」
桜子 「来ないです(キッパリ)」
猪子 「あ、そ。不感症?」
チームラボの人も同行のASCII.jp編集部も笑っている。いかん。真面目なことを聞きたいのに。(性格が)変わっていると言わるだろうと突っ込んだが、「いや、僕、結構まっとうです(笑)電波が来ちゃった。だからしょうがない」と、にべもない。
猪子 「根拠のない使命感に駆り立てられて何かに打ち込んでいる人達っているでしょ。ノブレスオブリージュ(注1)の一種じゃない?そんな感じです、ホントは」
自分自身は夢や願望がなかったと言う。幾つか質問を投げたが、やはりきっかけは何もないという。
猪子 「でも、時代だったのかもしれない」
注1: noblesse oblige=フランス語「Noblesse(貴族)」と「Obliger(義務を 負わせる)」を合成した言葉
次ページ「東大へ行こう!」に続く

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