モバイルノートといえば日本メーカーのお家芸……だったのは2年前くらいまでのこと。このところ、「野心的な小型PC」の多くは、海外から生まれることが増えている。
今回試用する「HP 2133 Mini-Note ハイパフォーマンスモデル」(以下HP Mini)は、そんな「気になる小型PC」のひとつ。台湾ASUSTeK Computer社の「Eee PC」が作った低価格PC路線のフォロワー、といわれることが多いが、日本ヒューレット・パッカード(株)(以下HP)いわく「新コンセプトのフル機能ノートPC」だ。
HP Miniは同社の思惑どおりに、「モバイルの起爆剤」となりうるのかどうか。「快適さ」という点を中心にみていこう。
「デザインと低価格」で攻めるHP
挑戦的なモバイルPCメーカーの側面も
HPという企業に、みなさんはどのようなイメージをもっているだろうか? 日本のコンシューマーの場合、「低価格PCと企業向け向けPC、それにプリンターの会社」くらいの大雑把な印象しか持っていない、という人も少なくないのではないか。HP Miniも、まずはその安さが目に入るため、「低価格にコンサバに」というイメージを持たれることも多そうだ。
だが、それはHPの一面でしかない。特にモバイルPCにおいてHPは、挑戦的な機能を持つ製品を世に問うてきた「先駆者」でもある。古くは1990年代、マニアを席巻したポケコン「HP LX」シリーズや、フラッシュメモリーのみで動作する初のWindows搭載PC「OmniBook」などがある。IBM(現レノボ)が「コンサバなモバイルPC」の象徴とすれば、HPは「挑戦的モバイルPCの開拓者」といえるだろう。
HP Miniは久々の、HPによる「挑戦的モバイル」であり、日本のモバイルマニアの琴線に触れる商品となりそうだ。

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