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激化する次世代燃料ウォーズを制するのは!? 第5回

水素製造の大手に聞く「燃料としての水素」

2008年06月12日 13時00分更新

文● 真鍋裕行

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水素燃料の流通

───全国に11ヵ所(関東8ヵ所、名古屋1ヵ所、大阪2ヵ所)ある水素ステーションに違いはあるのでしょうか?

玉井 それぞれが独自の方式で実証実験を行なっており、特徴を持っています。当社と昭和シェル石油さんで運営している有明ステーションは、液化水素を貯蔵し、唯一気体の水素と液化水素の両方を充填できるステーションです。

 そのほかにも、都市ガス、メタノール、ナフサなどから水素を改質できる設備を備えた、いろいろなステーションが運営されています。当社を含め、石油会社やガス会社などさまざまな企業が参画しています。

オフサイト

オフサイト型:ほかの場所で製造した水素を、ステーションまで運んできてから水素タンクに貯蔵しておき、そこから直接燃料電池車に充填するシステム

オンサイト

オンサイト型:水素ステーションに天然ガスやLPガスなどの出発燃料を貯蔵しておき、ステーションで改質して水素を取り出しながら燃料電池車に供給するシステム

───現在の水素はどのように販売されているのでしょうか?

玉井 だいたい立米(リューベ)で売られています。価格は、1立米で120円くらいになっています。これは、工業的に売られている水素の値段で、自動車の燃料として燃費換算したら、ガソリンに比べて安いとはいえません。価格も大切な要素ですね。

いつの日かガソリンスタンドに変わって、水素スタンドが台頭するときがくるだろう。しかし、その道のりはまだ遠く険しそうだ

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