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長~く使える極上のPCケース 第1回

[特集]We Love Case! こだわるから楽しいんだ

長~く使える極上のPCケース【アビー編】

2008年04月22日 19時06分更新

文● 加藤 勝明

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アビーがスチール製ケースを出した!?

Balance B640
作業時間:20分

Balance B640

パフォーマンスとデザインとコストのバランスがとれたATXミドルタワー「Balance B640」。

 アビーといえばアルミ、アルミといえばアビーだが、この「Balance B640」は、なんと普通のスチール合金を使ったATXケースだ。前述のPCケース「AS Enclosure S1H」のようにハイブリッド素材になっているわけでもなければ、厚みのあるスチール合金を使っているわけでもない。良くも悪くも至って普通のケースのように見える。
 しかし、アビーがこれまでの製品で培った静音・制振のためのノウハウが各所に盛り込まれており、見どころは結構多い。ではさっそく「Balance B640」の見どころを写真でチェックしてみよう。

前面

実売1万4千円近辺のケースといえど、フロントパネルの仕上げはさすがアビーといったところ。スイッチ等が収められた部分はドライブベイ用のパーツとして独立しており、任意のベイに移動させることが可能だ。今どきのケースらしくeSATAも搭載している点に注目!

前面開放

フロントパネルを取り外した状態。フロントにファンは搭載されていないがしっかり吸気口部分にフィルターが配置されているのは良い。5インチベイが全て最初から開放されているのも地味に嬉しい

開けたところ

LED等のケーブルが長めなことを除けば、至って普通の設計。M5やS1Hと違い、マザーを固定するベースはケースから分離できないようになっている

ベイ

ドライブ類の固定方法は今流行のスクリューレスタイプ。シャドウベイはベイごと手前に引きずり出せ、さらに1台1台専用のマウンターで引き出せる。素材云々を除けば、組み立てやすさはいちいちネジを使わねばならないM5よりも上だ

ケース側板

ケース即板および天井部分には制振シートが貼られている。それ以外は至って普通の板のように見えるが、側板を固定するためのネジは完全に緩めても側板から分離しないようになっており、ネジを紛失する心配はない。この機構、M5あたりにもぜひ採用してもらいたい

ノギス

側板の厚みは実測0.8mm程度とやや薄め。まあこのあたりは価格を考えると致し方ないという感じがする

HDD

HDDはこんな感じでマウンタに収め、付属のプラパーツをはめ込んで固定する。HDDとマウンタの間には防振ゴムが仕込まれており、ある程度の振動は吸収するようになっているのだ

電源

組み立てる上で罠といえるのが電源ユニット近辺。天井部分がリベットで取り外せないようになっているため、最初にマザーを入れてしまうと高確率で詰んでしまう。本製品の場合はまず電源ユニットを仕込んでしまうのが正解

拡張スロット

拡張ボード類の固定はプラ製パーツでワンタッチで行なえる仕掛け。一度M5のような古典的な設計のケースに触れてしまうと、Balanceの簡単さが身にしみる

入らない

GeForce 8800GTXクラスのビデオカードをそのまま差そうとするとHDDベイにぶつかってしまう。HDDベイを外した状態でビデオカードを取り付けてからHDDベイを元に戻せばキレイに収まる

組んだところ

組み終わった状態。ちょっと気になったのは、HDDを入れた状態のマウンタを引き抜くのがやや難しいこと(とにかく引っかかるのだ)。このあたりは価格なりとも言えなくないが、ぜひ今後は改善して欲しい

アビーイズムはやや薄め?

 実際に「Balance B640」で組んでみると、さすがアビーだ! と評価すべき点もあれば、やっぱり1万4千円前後のケースだね……となる点もある。M5を見た後だと、安っぽく見えてしまうのは仕方ないところだが、アビーのケースは欲しいが、いきなり3万円オーバーの高級アルミケースは怖い、と考える人には最適だろう。天板が固定だとか大判のビデオカードが入らないという不満点はあるが、定番売れ筋のパーツを集めて組むPC用としては良い出来である。だが、これがアビーだ! というメッセージ性がちょっと薄い。後継製品を出すなら、もう少し“アビーイズム”の濃い、思わず手を出してしまいそうな製品を望みたい。

(次ページへ続く)

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