本サイトでは「アキバで恥をかかないための最新パーツ事情」としてCPUからマザー、電源やケースに至るまでの主要パーツの“今どき”を解説してきた。しかし、トレンドを全部頭に叩き込んでいても実際にケース売り場に向かってみると、そんなものはどこかへスッ飛んでしまうもの……。製品を隅から隅までチェックしてみるのもいいが、時間がいくらあっても足りない!
そこで本連載では、主要ケースメーカー自慢の製品を紹介してみたい。気合いを入れて揃えたパーツを収めるに相応しい、少々高価でも長く使えそうなケースを探していきたい。今回エントリーしたメーカーは以下の通り。いずれもケース作りでは名の通ったメーカーばかりだ。
- Abee
- CoolerMaster
- Thermaltake
- Antec
- Unity(小型PC用)
というわけでケースレビュー第1回目は、国産アルミ製高級ケースの雄「アビー」から3製品をピックアップして紹介することにしたい。
ケースを買って一番悲しいことは?
さて、ケースを買ってきて一番落ち込むことといえば、組み立ての段階で発覚する「装着できない」「寸法が合わない」といったトラブルだろう。機能やデザインに惚れて買っても、肝心のパーツを諦めざるを得ない、というのはかなり堪えるものだ。そこで今回は組んでみた際のハマりポイント等も交えて各ケースをチェックしてみたい。ビデオカードはあえて最大サイズのGeForce 8800GTX搭載カードを選んだので、巨大なボードが入るかどうかもチェックポイントになっている。
また、各ケースを軽く組んだ際に要した時間も合わせて計測している。筆者が何も考えずにケースに対峙し、どう組むかある程度悩みながら組み立てていった時間であるため、工数が多いまたは構造が複雑なケースほど長くなる(適当にやっているので、慣れた人ならもっと短縮できるはずだ)。実際に購入したときの目安にして欲しい。
アルミ製だから良いのではない!
AS Enclosure M5
作業時間:38分
ケースを語る際に必ず出てくるのがアルミケースという存在だ。「アルミはスチールに較べ熱伝導性が高く、ケース自体がヒートシンクの役割を果たす。だからアルミケースが最高だ!」と言う人も少なくない。だが残念ながらそれは大きな誤りだ。アルミ製でも設計自体が悪ければ素材のアドバンテージは吹き飛んでしまうのだ。つまりアルミ製ケースだから良いのではない。アルミの素材をしっかり活かしたケースだから良いケースになるのだ! そのアルミ使いに定評があるのが、数少ない国産ケースメーカーの「アビー」。まずはスタンダードな「AS Enclosure M5」(以下:M5)を紹介しよう。
M5の魅力はスッキリと飾らない、ソリッドなアルミの質感を活かしたデザインと、高い工作精度を伴った作りのよさだ。5インチベイの目隠し板周囲やスイッチ周りを見れば分かるが、寸法の遊びは最小限に抑え、ハマるところはピタリとハマるようになっている。ちょっと遊びがなさすぎて半端なポジションだとネジも通らないのが玉に瑕だが、しっかりカッチリしたケースが欲しい人には最適のケースだろう。
(次ページへ続く)
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