気になる通信速度は?
S11HTのHSDPAの通信速度は最大3.6Mbpsだが、Bluetooth接続時はその通信速度がボトルネックとなるため、速度低下が気になる。体感的にはどうなのか、Bluetooth1.1(最大通信速度723kbps)準拠の「VAIO PCG-Z1/P」(Windows XP)で試してみた。
まずストリーミング系の動画サイトを観てみたところ、Bluetooth 1.1での接続ということで不利な面はあるのだが、「GyaO」や「eyeVio」、「ニコニコ動画」といった比較的高画質な動画はコマ落ちが激しかったものの、「YouTube」はまったく問題なくスムーズに再生できた。「Googleマップ」の衛星写真の読み込みやスクロール、メーラでの添付ファイルの送受信にもストレスはない。Bluetoothの規格が古い比較的前のパソコンでも十分実用的なスピードと言えるだろう。
ちなみに、最大通信速度約2.1MbpsのBluetooth2.0+EDRに準拠したUSBアダプター「LBT-UA200C1」(ロジテック製)とPower Mac G4(Mac OS X 10.5「Leopard」)の組み合わせでもインターネット共有を利用できた。「goo スピードテスト」で測定した下り通信速度は約1.4Mbpsほどで、同じBluetooth2.0+EDRどうしならまずまずの速度が得られることを付け加えておきたい。
編集部での「goo スピードテスト」下り 測定結果
Bluetooth2.0+EDR準拠の「VAIO VGN-SZ52B/B」:約0.9Mbps
Bluetooth2.0+EDR準拠USBダプター「MMBTUD5」+「LOOX P70S」:約1.1Mbps
スタミナもなかなか!
Bluetooth接続の場合はバッテリーの持ちも気になるところ。比較的厳しい条件※でのテストだったとは思うが、約4時間ほど連続通信できた。2時間経過後もバッテリーは半分近く残っており、通勤の往復で1時間ずつ通信してもまだ余裕がある計算になる。バックライトの輝度を下げるなどすれば駆動時間をさらに延ばせそうだ。
※10秒おきにウェブページを再読み込みし、1時間おきにYouTubeで3分程度の動画を視聴、同4KB程度のメールを送受信するパターンを本体起動不可になるまで繰り返した。液晶は常時点灯でバックライトの輝度は最大にした
トータルバランスがいいスマートフォン
キャリアのメールやPCのメールはすべて「メール」アプリで一括管理でき、動作もキビキビとしていて、使っていて気持ちがいい。
電話のかけ方についても、電話帳や発着信履歴、短縮ダイヤルはもちろん、音声認識も利用でき、使い勝手は見た目ほど悪くない。
唯一フロントカメラがあるのにテレビ電話に非対応な仕様はナゾだが、その点を除けば、現時点でこれほどまともに使えるスマートフォンはほかにないだろう。
なお「WMWifiRouter」というソフトを手軽に使えるのも、インターネット共有を備えたS11HTならでは。同ソフトを使うとS11HTがどこにでも持ち運べる無線LANルーターのようになる。Bluetoothでなく無線LANで接続するので、通信速度のボトルネックを気にすることなくインターネットを楽しめるのが利点。ソフトは有料(約3120円)だが試用版もあり、iPod touchやUMPCなどの無線LAN機器でモバイルデータ通信をしたいときに役立つハズだ。これについてはまた別の機会に紹介したい。
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