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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第44回

逆光にも負けず、日陰にも負けず。春のネコは「日中フラッシュ」で撮るべし

2008年03月12日 12時00分更新

文● 猫写真家 荻窪圭

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猫が演舞してるような不思議な写真

まるでカキワリ(観光地によくある、顔の部分だけくりぬいたパネル)のような、舞台で猫が演舞してるような不思議な写真になりました。13時40分のフラッシュ(2004年5月撮影 ソニー「Cyber-shot DSC-F88)

 猫が日陰にいる→日陰は暗い→シャッタースピードが遅くなる→猫がちょっとでも動くとぶれちゃう。

 青空をバックに猫がいる→でも顔がちょうど影になってる→青空をきれいに撮ろうとすると猫の顔が暗くなっちゃう→猫の顔に明るさを合わせると青空が白くなっちゃう。

 屋外での猫撮影なんてそんなことばっかである。これから暖かくなると、昼間の猫は日陰に入るし、新緑が出てきて木々が青々としてきて木陰が増えていく。なんとも悩ましい。そんなときはどうしましょう。それは「昼間フラッシュ」の出番である。一応専門用語では「日中シンクロ」という。

 まあ、フラッシュを強制発光しちゃえ、ってことだ。そうすると冒頭のように妙に印象的な写真が撮れるのである。ほかにはどんな風になるか。

この記事に対して、「フラッシュ撮影を推奨するとは何事だ」とお怒りのメールが来たのでちょっと補足を。基本的に瞳孔が開いているとき(つまり夜や室内など)にフラッシュのような強い光をいきなり当てるのは目によくありません(猫に限らず、人間でも乳幼児の間はフラッシュ撮影は避けるべきといわれてます)。暗いときほどフラッシュはオフで。この記事では周辺が十分に明るい昼間に補助光として使いました。ですので、「まあOKか」と判断したのですが、昼間でも近距離で正面からフラッシュを焚くのはお薦めしません。猫を驚かせることにもなりますし。基本的に発光禁止にしておき、使うときもなるべく正面からは避けるよう注意しましょうってことで、追記しておきます。(荻窪圭)

1枚目が普通に撮った写真。2枚目がフラッシュを強制発光した写真。2枚目のはちょっとピントがずれてるけど( 顔じゃなくて耳にあっちゃってる)、それは気付かなかったことにしてください(2005年1月撮影 ペンタックス 「*ist DS」)

 こんな風になる。1枚目は、日差しが猫の後頭部に当たってるので、顔が影になっちゃってる。でも2枚目のように、フラッシュを焚けば顔もくっきり。背景と猫で光の当たる方向や強さが違うので不自然といえば不自然なんだが、それはそれで日中シンクロならではの味わいがあっていい。

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