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週末見るコンテンツはコレ★ 第30回

【週末見るコンテンツはコレ★】

春は電車の季節です! 「スーパーとかち」の車窓風景から大爆発まで鉄道にまつわる3作品

2008年03月07日 17時59分更新

文● 大石太郎

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スピード落ちたら即爆破!
国鉄マンの勇士を見よ
「新幹線大爆破」

「新幹線大爆破」のパッケージ

「新幹線大爆破」のパッケージ

新幹線大爆破
DVD
価格:4725円
発売日:2002年7月21日(発売中)


発売:東映ビデオ
http://www.toei-video.co.jp/

 東京発博多行き新幹線109号に爆弾が仕掛けられた。しかも時速80km以下になると爆発するという。犯人の要求は500万ドル(当時のレートで換算すると約15億円)。果たして1500人の乗客の運命は如何に!?

 「新幹線大爆破」は「スピード」の元ネタ映画として有名な作品だが、スピードの脚本家と新幹線大爆破の監督ともに、黒澤明が書いた脚本(「暴走機関車」として映画化)の影響を受けている。つまりスピード落ちたら爆発系映画(勝手に命名)の源流は、世界のクロサワにあるということ。つくづく偉大な監督だ。

 原典がどこにあろうと本作が超一級のサスペンス映画であることは紛れもない事実。公開から30年以上経った今でも本作の魅力は全く衰えることはない。その内容から国鉄(当時)の協力を全く得られなかったため、模型などで再現するしかなかった新幹線のシーンがチャチだとか、運転手役の千葉ちゃんの冷や汗は出すぎだろとか、批判の声もあがっているが、そんな些末なことにこだわっていてはダメ

 鉄道ファンとしては、国鉄の優秀さに主眼を置いて観るようにしたい。本作が名作となり得たのは、新幹線が安全を最優先した優秀なシステムのうえに運行しているから。どんな小さなトラブルでも停止するため、車両を切り離すといった思い切った対処策は取れない。できることはスピードを落とすことだけ。犯人の言いなりになるしかないのか……絶望的な状況だからこそ、必死に解決策を見つけ出そうとする国鉄マンたちの姿が引き立つのだ。

 そこに無能な警察、政治的駆け引き、国鉄内の軋轢、犯罪に走らざるを得なくなってしまった犯人グループの思惑がからみあう。そして最後に勝利するのは……。邦画史上にさんぜんと輝く傑作。間違いなく必見です!

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