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週末見るコンテンツはコレ★ 第33回

【週末見るコンテンツはコレ★】

人間の生む恐怖をファンタジックに描く! 大人のための「グロテスク・ファンタジー」映画3作品

2008年03月28日 23時04分更新

文● 大石太郎

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 本格的に春を迎えた今日この頃。ファンタジー映画でも見てすがすがしい気分になりたいところだが、そうは問屋がおろさないのが本連載。今回のテーマは「グロテスク・ファンタジー映画」。恐ろしい現実から逃れるために、少女が入り込んでしまった架空の世界。少女を通して人間性の本質を描いた「パンズ・ラビリンス」と、おとぎばなしが散りばめられた大人のファンタジー「ブラザーズ・グリム」、民話を基に描いたダークホラー「オテサーネク」の3タイトルを紹介する。

過酷な現実から逃れるために迷い込んだ
グロテスクな世界とは?
「パンズ・ラビリンス」

「パンズ・ラビリンス DVD-BOX」のパッケージ

「パンズ・ラビリンス DVD-BOX」のパッケージ

パンズ・ラビリンス DVD-BOX
DVD
発売日:2008年3月26日(発売中)
価格:6090円


発売:アミューズソフトエンタテイメント
http://www.amuse-s-e.co.jp/

 恵比寿ガーデンプレイスで3ヵ月のロングランヒットを記録した、“宮殿らしき”場所で佇む可愛らしい女の子の物語。

 よく確かめもせず「オシャレ映画か……」と切り捨ててしまった人も多いことだろう。筆者も危うくそうするところだった。だが、監督・脚本はギレルモ・デル・トロ。ダークヒーローものの傑作「ブレイド2」や「ヘルボーイ」、パニックホラーの秀作「ミミック」、そしてスペイン内戦下での孤児院を舞台にしたホラー映画の大傑作「デビルズ・バックボーン」を手がけた監督だ。これがオシャレ映画であるハズがない! 最高にダークで、最高に美しく、最高に悲しく、最高に残酷な、最高づくしの作品だったのだ!

 舞台はデビルズ・バックボーンと同じ、内戦下にあるスペイン。子供らしく自由にあることすら禁じられた暗黒の時代。母親が再婚したのは冷徹な軍人だった。彼を受け入れることのできない少女オフェリアは、ある日迷い込んた迷宮でパン(牧神)と出会い、自分が魔法の国の女王であることを告げられるのだが……。

幻想世界の住人はクリーチャーのようだった

幻想世界の住人はクリーチャーのようだった(c)2006 ESTUDIOS PICASSO,TEQUILA GANG Y ESPERANTO FILMOJ

 少女が迷い込んだ幻想世界の住人たちは、目を疑うほどグロテスク。内戦の恐怖と暴力を反映したかのような造詣は、まるでホラー映画のクリーチャーのよう。そして少女を徹底的に追い込んでいく。

 現実世界で目にする光景も残酷だ。農民をビンで撲殺する義父、血まみれになり苦しむ母親、痛みと恐怖のみを抽出したかのような戦闘シーン。 ファンタジー世界も現実世界も、血と恐怖と暴力がべっとりと張り付いている。現実に耐えきれなくなった少女が逃げ込んだ幻想の王国も恐怖に支配されている……。

 徹底的に悲しく、ダークなファンタジー映画の傑作だ。恋人といっしょに観るべき作品ではないことは断言できる。

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