昨今、インターネットでさまざまな情報を得ることができるようになりました。有益な技術的な資料なども、検索すればブログなどでもさまざまな情報を得ることができます。しかし、まだ自分が身につけていない技術や知識を網羅的に知ろうと考えた場合には、「書籍」は依然としてとても有益な媒体です。忙しくて普段あまり本を読まないという人も通勤時間や就寝前の時間を利用するなど、意識的に「読書」の時間を生み出してみてはいかがでしょうか。下記では、著者が「今こそよむべき」と判断する10冊を紹介します。
■ピープルウェア 第2版 ヤル気こそプロジェクト成功の鍵
人を中心とした開発プロジェクトにおけるノウハウを語る本です。現場の技術者にとって納得する部分が多い良書と言えます。仕事を楽しくするためのユーモラスな文体で大変楽しく読める本です。
■プログラミングの心理学 または、ハイテクノロジーの人間学 25周年記念版
初版から 25年経った今でも読み継がれている1冊です。細かな内容は古さを否めませんが、いまだにプログラミングは人間が行なうことだという不変的な事柄がわかります。。個人による小規模の開発と、複数人での大規模開発における心理の違いが、単なるプロジェクトマネジメントという観点を越えて実感できる本です。
■ジョエル・オン・ソフトウェア
ソフトウェア開発に大切なことは何かが、わかりやすい文体とコラム形式で紹介されています。もとはWebサイトの Joel on Software に掲載されていました。的確な洞察と、納得のいくコメントに同感を得る部分の多い内容です。プログラマーだけでなく、人事担当の面接官やプロジェクトマネージャーも必読の書です。
■ヤコブ・ニールセンの ―Alertbox― そのデザイン、間違ってます
1995年から続く Webコラム記事「Jakob Nielsen博士のAlertbox」を書籍化したもの。Web アプリケーションや、ユーザーインタフェースに関するコラム記事がまとめられています。何が使いやすくて、何が使いにくいものなのか。どれも納得の内容です。短い記事が多いので、細切れの時間でも読み進められるのもよいところでしょう。同じ文章がWebでも読めますが、じっくりと読み込むには書籍の方がやはり向いています。一度書籍を読みとおして、後に思い出した時にはWebで参照するという方法がお薦めです。
■達人プログラマー システム開発の職人から名匠への道
よりよいプログラマーになろうとする人、職人的心意気で仕事に取り組む人にお薦めです。プログラムそのものよりも、論理的な考え方の大切さや、立ち居振舞いなどに関する記述も多くあります。さらっと読んだだけではなかなか理解できない部分もありますが、繰り返し読むべき良書です。
■ペーパープロトタイピング 最適なユーザインタフェースを効率よくデザインする
「試しに作ってみる」ということを、もっともコストをかけずに効果的に行なう方法―ペーパープロトタイピング手法―に関する内容です。使いやすいユーザインタフェースを設計する段階で「紙」を用いて比較検討する。これは手軽であると同時にとても気付かされることが多い手法と言えます。設計者やアーキテクト、ユーザインタフェースのデザイナーにお薦めの本です。
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