マッシュアップは「技術ありき」の自由な発想から
現在「駅探ラボ」では、「駅探路線図スクロール版(図1参照)」「駅探路線図情報提供実験(図2参照)」「駅探路線図乗換サービス連携版(図3参照)」の3つのサービスが試験(研究)運用されている。そこでは、マッシュアップが積極的に利用されているが、技術やコンテンツを闇雲に組み合わせればいいというわけではない。「駅探ラボ」では、どのような観点でマッシュアップをしているのだろうか。
「基本的には本サイトの『駅探』と同じで、『こういうサービスがあったらいいよね』という発想で、『駅』を基点とした有益な情報を集めています。ただし、特にマッシュアップでは『駅情報のサービスとは関係なさそうだから、この技術はあてはまらない』といった固定観念を取り払い、柔軟な発想で考えるように意識していますね。それでも、私が担当している企画側からの発想は『実用』という視点のものが多くなってしまいます。そこで、技術部には『技術ありき』の視点で発想してもらっています」(福岡さん)
「新技術や流行りのコンテンツに出合うと、何かおもしろいことができそう! と感じ、そこから新サービスを考えています。また、外部からマッシュアップの話がくることもあります。『駅探路線図スクロール版』のPlaceEngineとのマッシュアップも、ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)から『Wi-Fi電波で現在位置を推定できる技術があるので、マッシュアップできないか』と打診があったのが始まりです。自社作成のデフォルメした路線図と組み合わせて、自動で現在位置の最寄り駅がわかり、それを路線図で確認できるサービスを作りました。さらに他には、今年6月、コミュニティを作ってメッセージを共有できるサービスのtwitterともマッシュアップしました。これは、メッセージから自動で駅名を検出して、駅に紐付けて表示されサービスです。駅に関する口コミ情報や、その人が今駅で何をしているのかなどの情報が見れます」(奥津さん)
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