“ドッグイヤー”とも称されるほど、移り変わりの激しいIT業界。その中でも近年、デジタルコンテンツや著作権を取り巻く状況は大きく変わってきている。
新連載“津田大介に聞け!!”では、デジタルコンテンツや著作権に関連したニュースを幅広く集め、その中から注目のトピックスを、同ジャンルに造詣が深いITジャーナリストの津田大介氏に解説してもらう。
その第1回は、ソニーが8月30日に、欧州市場向けに発表した新型ウォークマンについて。
注目したいのは、これまで採用してきたソニー独自のフォーマット“ATRAC”を捨てたこと。さらに欧米で提供してきた音楽配信サービス“CONNECT Music Service”も、2008年3月以降に終了するとアナウンスしている。このように大きく方針転換したソニーは、一体何を狙っているのだろうか?
【解説】ATRACを捨てた“ウォークマン”
ドイツ・ベルリンで開催中の“ベルリン国際コンシューマー・エレクトロニクス展”(IFA)に合わせて発表されたのは、『NWZ-A810』と『NWZ-S610/S510』の2シリーズ3製品だ(英文リリース)。
ソニー・ヨーロッパでは、これまで携帯音楽プレーヤー用の著作権保護(DRM)技術として“MagicGate”、配信形式として、ATRAC系フォーマットを採用してきた。しかし、今回発表された機種ではATRACは一切サポートされない。その代わりに、DRM付きのWindows Media Audioが新たにサポートされた。
一方“CONNECT Music Service”は、ATRACフォーマットを利用した音楽配信サービス。これまで北米と欧州市場向けに提供されてきたが、今回の発表に伴い、サービスの終了がアナウンスされた。

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