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ASCII Power Review 第223回

レイトレーシングは28倍速くなっていました

CPUが爆速化したクリエイターPC「Surface Laptop Studio 2」実機レビュー

2023年10月07日 10時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 マイクロソフトは、3つのスタイルに変形可能なクリエイター向け14型2 in 1 PC「Surface Laptop Studio 2」を発売した。

 本機の中・上位モデルには第13世代のHプロセッサーに、NVIDIAのディスクリートGPUが組み合わされており、さらにディスプレーは最大120Hzのリフレッシュレートに対応。メーカーの位置づけ的にはクリエイター向けだが、ゲーミングノートPCとしても魅力的なマシンなのだ。

 今回、Core i7-13700H/GeForce RTX 4060/RAM64GB/SSD1TBという構成の「お大尽モデル」(53万6580円)をマイクロソフトより借用したので、使い勝手、品質、パフォーマンスについてレビューをお届けしよう。

「Surface laptop Studio 2」

マイクロソフト「Surface Laptop Studio 2」33万6380円~58万2780円

選べるGPUはワークステーション向けも含め3種類
メモリー&ストレージで5モデル

 Surface Laptop Studio 2には下記の5モデルがラインアップされている。

Core i7-13700H/Intel Iris Xe Graphics/RAM16GB/SSD512GB
 33万6380円

Core i7-13700H/NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU/RAM16GB/SSD512GB
 39万7980円

Core i7-13700H/NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU/RAM32GB/SSD1TB
 45万9580円

Core i7-13700H/NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPU/RAM64GB/SSD1TB
 53万6580円

Core i7-13700H/NVIDIA RTX 2000 Ada/RAM32GB/SSD1TB
 58万2780円

 CPUは第13世代の「Core i7-13700H」(14コア[6P+8E]、20スレッド、最大5.00GHz、45)を採用。あとはディスクリートGPUのグレード、メモリーとストレージ容量で差別化している。ワークステーション向けGPU「NVIDIA RTX 2000 Ada」も用意されており、3D CADや動画レンダリングなどのプロクリエイター向けのマシンも選択可能である。

 ディスプレーは「PixelSense Flowタッチディスプレイ」と名付けられた14.4インチカラー液晶で2400×1600ドット、200ppi、3:2、最大120Hz、sRGB、コントラスト比1500:1、VESA DisplayHDR400、Dolby VisionIQ、ペン、10点タッチ対応、Corning Gorilla Glass 5を採用。ディスプレー上部には、広角1080p HDカメラ、Windows Hello 2.0顔認証カメラ、デュアルスタジオマイクが内蔵されている。

 インターフェースは、USB4/Thunderbolt 4(データ転送、USB Power Delivery、DisplayPort)×2、USB 3.1 Type-A、Surface Connectポート、microSDXCメモリーカードスロット、3.5mmヘッドホンジャックを装備。アクションカメラやジンバルカメラが広く使われていることを考えると、フルサイズのSDメモリーカードスロットよりもmicroSDXCメモリーカードスロットのほうを歓迎するユーザーも増えていることだろう。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.3をサポートしている。

 サイズは323×230×22mm、重量はIntel Iris Xe Graphicsモデルが1.89 kg、NVIDIAグラフィックスモデルが1.98 kgだ。  公称58Wh/最小56Whのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間はCore i7-13700H/RAM16GB/SSD512GBのモデルで最大19時間、Core i7-13700H/GeForce RTX 4050/RAM16GB/SSD512GBのモデルで最大18時間と謳われている(ディスプレーの設定輝度は150cd/m²)。

「Surface laptop Studio 2」

本体はアルマイト素材で、色はプラチナ。サイズは323×230×22mm、重量はIntel Iris Xe Graphicsモデルが1.89 kg、NVIDIAグラフィックスモデルが1.98 kg

「Surface laptop Studio 2」

本体底面にはバータイプのゴム足を配置。多少波打ったテーブル上でも安定して設置可能だ

「Surface laptop Studio 2」

ディスプレーは14.4インチカラー液晶で2400×1600ドット、200ppi、3:2、最大120Hz

「Surface laptop Studio 2」

キーボードは83キーの日本語配列。「\」キー以外の文字キーはすべて等幅だ

「Surface laptop Studio 2」

本体前面(上)と本体背面(下)

「Surface laptop Studio 2」

パームレスト手前には「Surfaceスリムペン2」(1万5960円で別売)を磁力で固定し、同時に充電できる。「Surfaceスリムペン2」は1回の充電で最大15時間利用可能だ

「Surface laptop Studio 2」

右側面にはmicroSDXCメモリーカード、3.5mmヘッドホンジャック、Surface Connectポート、左側面にはUSB 3.1 Type-A、USB4/Thunderbolt 4×2を用意

「Surface laptop Studio 2」

ディスプレーの最大展開角度は実測141度

「Surface laptop Studio 2」

パッケージには本体、ACアダプター、説明書類が同梱

「Surface laptop Studio 2」

ACアダプターのコード長は実測144cm、電源ケーブルの長さは実測100cm

「Surface laptop Studio 2」

ACアダプターの型番は「M1118694-007」。仕様は入力100-240V~1.92A、出力15V 8A、5V 1.5A、容量120W

「Surface laptop Studio 2」

本体の重量は実測1980g

「Surface laptop Studio 2」

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測457g

各社の2 in 1 PCのなかでも特に使い勝手のいい
「ダイナミックウーブンヒンジ」

 Surface Laptop Studio 2最大の特徴は、旧「VAIO Z」を彷彿とさせる「ダイナミックウーブンヒンジ」と名付けられたふたつのヒンジ機構だ。ディスプレーを下から跳ね上げることで、クラムシエル、ビューワー、タブレットスタイルに切り替えることができる。

 Surface Proシリーズもさまざまなスタイルで利用できるが、Surface Laptop Studio 2はつねに底面がテーブル、膝の上に設置する。個人的には2 in 1 PCのなかで最も使い勝手のいい変形機構だと考えている。

「Surface laptop Studio 2」

「ダイナミックウーブンヒンジ」と名付けられたふたつのヒンジ機構により、クラムシエル、ビューワー、タブレットスタイルに素早く切り替えられる

「Surface laptop Studio 2」

ディスプレーはMicrosoft Pen Protocol(MPP)対応。「Surfaceスリムペン2」を使用すれば、触覚フィードバックにより筆記感を得られる。振動の強弱も調整可能だ

「Surface laptop Studio 2」

ディスプレーは10点マルチタッチに対応。強化ガラスはCorning Gorilla Glass 5。表面処理は光沢(グレア)仕様だが、指の滑りがよく、タッチ操作は快適だ

 キーボードは83キーの日本語配列で、キーピッチは実測19.2mm前後、キーストロークは実測1.4mm前後。

 キーボード面の剛性は非常に高く、底打ちするようにタイピングしてもたわみは感じられない。また打鍵音も低めに抑えられている。ほかのSurfaceシリーズと同様に長文入力が快適なキーボードだ。

「Surface laptop Studio 2」

キーピッチは実測19.2mm前後

「Surface laptop Studio 2」

キーストロークは実測1.4mm前後

「Surface laptop Studio 2」

ハプティックタッチパッドの面積は実測120×80mm。クリック感は振動によって実現しているが、操作していて違和感はない

「Surface laptop Studio 2」

キーボードバックライトは白色。明るさは3段階で調節できる

 「14.4インチPixelSense Flowタッチディスプレイ」のカラープロファイルは「sRGB」と「Vivid」が用意されている。カラーキャリブレーション機器で色域を実測したところ、sRGBカバー率は99.5%、AdobeRGBカバー率は77.1%、DCI-P3カバー率は81.9%となった。クリエイター向けノートPCなのであれば、リフレッシュレートよりも色域の広さを重視してほしかったところだ。

「Surface laptop Studio 2」

「14.4インチPixelSense Flowタッチディスプレイ」の色域はsRGB、コントラスト比は1500:1、HDRはVESA DisplayHDR 400、Dolby Vision IQ対応。映像、画像を鮮やかかつ、階調豊かに表示できる

「Surface laptop Studio 2」

sRGBカバー率は99.5%、sRGB比は111.0%、AdobeRGBカバー率は77.1%、AdobeRGB比は82.3%、DCI-P3カバー率は81.9%、DCI-P3比は81.9%

「Surface laptop Studio 2」

ディスプレー上部には広角1080p HDカメラ、Windows Hello 2.0顔認証カメラ、デュアルスタジオマイク、環境光センサー、インジケーターが内蔵

 ちょっと残念に感じられたのが広角1080p HDカメラの画質だ。室内灯下でも明るく、高解像度に撮影可能だが、ホワイトバランスが適切でないのか色味がやや不自然だった。

 「Bluetoothとデバイス→カメラ→Surface Camera Front」でコントラスト、明るさ、鮮明度、彩度を手動で調整できるので、色味にずれを感じた際には微調整したほうがいい。

「Surface laptop Studio 2」

「Windows 11」の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

「Surface laptop Studio 2」

「Windows 11」の「カメラ」アプリで撮影(HDR proオン)

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