ASCII Power Review 第159回
ついに日本でも買えるようになりました!
「Surface Duo 2」実機レビュー = マイクロソフトの2画面スマホの実力をチェックしてみた
2022年01月20日 13時00分更新
マイクロソフトはデュアルディスプレー搭載Androidスマートフォン「Surface Duo 2」を1月11日に日本で正式発売した。前モデル「Surface Duo」も「技適(技術基準適合証明)」が取得されており、適法に日本で利用できたが、日本市場で発売されることはなかった。2世代目にしてようやく日本で普通に家電量販店、通販サイトで購入できるようになったわけだ。
とは言え、ディスプレーを2枚搭載し、ヒンジ機構などが採用されていることから、最小ストレージモデルでも18万4580円からと手が震える価格だが、マイクロソフトがデュアルディスプレー搭載デバイスをどのように仕上げてきたのが気になるところ。今回は、2画面を活用するためのインターフェースに特にスポットを当ててレビューしていこう。
5.8型有機EL×2、合わせて8.3型の表示領域を確保
Surface Duo 2にはストレージ容量とカラーの異なる下記の5モデルが用意されている。ストレージ512GBモデルはMicrosoft Store独占販売で、カラーはオブシディアンのみだ。
・メモリー8GB/ストレージ128GB/カラー:グレイシア(直販価格18万4580円)
・メモリー8GB/ストレージ128GB/カラー:オブシディアン(直販価格18万4580円)
・メモリー8GB/ストレージ256GB/カラー:グレイシア(直販価格19万6680円)
・メモリー8GB/ストレージ128GB/カラー:オブシディアン(直販価格19万6680円)
・メモリー8GB/ストレージ512GB/カラー:オブシディアン(直販価格22万880円)
ストレージ容量とカラー以外のスペックは共通。OSは「Android 11」、プロセッサーは「Snapdragon 888」を採用。メモリーは8GB(LPDDR5)を搭載している。
ディスプレーは「デュアルPixelSense Fusionディスプレイ」と名付けられており、1画面は5.8型(1344×1892ドット、13:9)で、2画面で8.3型(2688×1892)のサイズが確保されている。パネルは有機EL、画素密度は401ppi、輝度は最大800cd/m²、色域はsRGB、DCI-P3カバー率100%、HDR対応、リフレッシュレートは90Hz(可変)となっている。
ディスプレーはタッチ操作だけでなく、「Microsoft Pen Protocol(MPP)」に対応した「Surfaceスリムペン」、「Surfaceペン」、「Surface Hub 2ペン」などを利用可能。ディスプレー表面は「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされているので、Surfaceスリムペンなどを使っている限りは筆記によって傷が付くことはなさそうだ。

ペアリングした「Surfaceスリムペン2」のノックボタンを押すと「OneNote」が起動して、すぐメモ書きできる。なお、「Surface Duo 2ペンカバー」を装着すれば、Surfaceスリムペン2を磁気で格納、充電可能だ
カメラはリアに超広角(16MP、F2.2、13mm、1.0μm、ゆがみ補正)、広角(12MP、F1.7、27mm、1.4μm、デュアルピクセルPDAF、OIS)、望遠(12MP、F2.4、51mm、1.0μm、PDAF、OIS)、フロントにセルフィー(16MP、F2.0、24mm、1.0μm)を搭載する。動画は最大4K/60fpsで撮影可能だ。
ワイヤレス通信機能は5G(nanoSIM、eSIM)、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1、NFCに対応。FeliCa機能は搭載されていない。
本体サイズは、開いたときに145.2×184.5×5.50mm、閉じたときに145.2×92.1×11.0mm。重量は284g。4449mAh(標準)/4340mAh(最小)のバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間はローカルビデオ再生で最大15.5時間、通話で最大28時間と謳われている。

カメラ部は本体から大きく飛び出している。ディスプレーを外側に折り畳んだ際には、傾斜がつけられたカメラ部が背面の接地部分を均等に支えてくれる。とは言えどのぐらい耐久性があるかは未知数。傷をつけたくないのならフィルムやケースで保護しておこう
ゲーミングスマホには届かないものの十分な処理能力を発揮
今回はまず、ベンチマークスコアからチェックしてみよう。「AnTuTu Benchmark V9.2.6」の総合スコアは764249、「Geekbench 5.4.4」のMulti-Core Scoreは3427、「3DMark」のWild Lifeは5760を記録した。記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングトップが「RedMagic 6」で、スコアは860559。つまりSurface Duo 2はRedMagic 6の約89%のスコアということになる。
同じくSnapdragon 888を搭載する「ROG Phone 5」のAnTuTu Benchmarkのスコアが817400。カリッカリにチューニングされたゲーミングスマホに比べるとSurface Duo 2のスコアはやや低い。とは言え、実際に使っていて処理速度に不満を覚える局面はないはずだ。

「AnTuTu Benchmark V9.2.6」の総合スコアは764249、「Geekbench 5.4.4」のMulti-Core Scoreは3427、「3DMark」のWild Lifeは5760
カメラ画質はフラッグシップスマホレベルも夜景はちょっと苦手か
Surface Duoはフロントにしかカメラが搭載されていなかったが、Surface Duo 2はリアに超広角、広角、望遠のトリプルカメラが装備された。今回さまざまなシチュエーションで撮影してみたが、基本的な画質は他社フラッグシップスマートフォンと遜色ないレベルだ。
ただ、プレビュー時のオートホワイトバランスが大きく転んでしまうことと、ナイトモードでノイズが多く、白飛びが目立つ点は気になった。ナイトモードを強制的に利用するモードがない点も不便に感じた。カメラはハードウェア的には充実した構成だ。ソフトウェア面がブラッシュアップされることに期待したい。

上から超広角(16MP、F2.2、13mm、1.0μm、ゆがみ補正)、広角(12MP、F1.7、27mm、1.4μm、デュアルピクセルPDAF、OIS)、望遠(12MP、F2.4、51mm、1.0μm、PDAF、OIS)カメラ。その右にはフラッシュとToFセンサーが内蔵されている

超広角カメラで撮影:イメージ情報4032×3024ドット、焦点距離12mm、シャッタースピード1/689、F2.2、ISO13、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

広角カメラで撮影:イメージ情報4032×3024ドット、焦点距離25mm、シャッタースピード1/1515、F1.7、ISO33、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

望遠カメラで撮影:イメージ情報4032×3024ドット、焦点距離34mm、シャッタースピード1/911、F2.4、ISO25、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

望遠カメラで撮影(10倍ハイブリッドズーム):イメージ情報4032×3024ドット、焦点距離34mm、シャッタースピード1/301、F2.4、ISO25、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

広角カメラで撮影:イメージ情報4032×3024ドット、焦点距離25mm、シャッタースピード1/128、F1.7、ISO33、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

広角カメラで撮影(ナイトモード):イメージ情報4032×3024ドット、焦点距離25mm、シャッタースピード1/15、F1.7、ISO1679、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight
2つのアプリを同時に使うことがSurface Duo 2の基本スタイル
Surface Duo 2は2つのアプリを同時に使うことが基本スタイルのデバイスだ。ホーム画面でアプリアイコンをタップすると、操作した側の画面だけに全画面表示される。アプリを2画面に渡って全画面表示するためには、「アプリの自動スパン」にアプリを登録しておくか、アプリ起動後に画面下部のバーを画面中央にスワイプして全画面化する必要がある。アプリを全画面表示するためには一手間必要となるわけだ。

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