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今月のテーマも「越境人材」
ASCII読者の皆さん、こんにちは!正能茉優です。
今月も、パーソルキャリア株式会社の新規事業企画、ハピキラFACTORYの代表、そして慶應義塾大学大学院の特任助教と、3つのお仕事をしています。
さて、この連載「お仕事悩み、一緒に考えます。」では、今月も、読者の皆さまからいただいたお仕事に関するお悩みについて、一緒に考えていきます。
今月のテーマは、先月に続き「越境人材」。
前回の記事「最近見かける「越境人材」って?」を読んだ、「越境してみたい!」と強く願う同世代の女性から、お便りをいただきました。
「越境すれば何者かになれる」と思っている自分がいる
正能さん、こんにちは。
私はここ1年ほど、「越境」「越境人材(バウンダリースピナー)」というキーワードが気になっていて、「越境」をテーマにしたオンラインイベントに参加したり、記事を読んだりしています。
越境に興味があると言っても、「越境して何がしたい」ということは特になく、いろんな人に会ったり、いろんな経験をしたりすることで、漠然と“強い”自分になりたいなという考えです。
ただ、こんなざっくりとした考えを誰かに伝える自信もなく、今日まで越境を実現するには至っていません。
そんな状況の中、先日正能さんの記事で「越境すると、矢面力がつく」というお話を見つけました。
私の考えている「越境すれば、強い自分になれそう」という考え方を、もう少し具体的に言い当ててもらえた気がして、すごくうれしかったのですが、正能さんの考える「矢面力」ってどんな力ですか?
「今話題になっている越境に興味はあるけど、具体的に一歩踏み出せない」という私みたいな人のために、もう少し具体的に教えてもらえるとうれしいです。
(ミナミさん・27歳・飲食)
「越境」について、まずはおさらいさせてください
ミナミさん、先月の記事を読んでくださってのお便り、ありがとうございます。
今日は「矢面力」について、一緒に深掘りしていきましょう!
まず、「越境」「越境人材」というキーワードを初めて聞いた方のためにお伝えすると、越境とは「組織や制度の境目を越えて、組織・業務に関わる」ことを指します。
会社を越えて他の会社に関わったり、地域を越えて別の地域と関わったり、はたまた社内で部署を横断するのも、また越境。
一言で「越境」と言えど、組織・コミュニティの越え方は、大小さまざまなパターンがありそうですね。
この越境体験を通して個人が得られるのは、「自身の所属する組織だけでは得られない体験・人のつながりだ」とよく言われるわけですが、私が考える「越境体験を通して得られる力」は「矢面力」だと思うんです、というのが前回の記事のおさらいです。
「矢面力」とは矢面に立つ力
ここからが今回の本題になるのですが、私の考える「矢面力」とは、その名の通り「矢面に立つ力」のこと。
何かを実現する際に、何らかの交渉をしたり、調整をしたり、矢面に立って物事を前に推し進める力のことです。
ただ、この「矢面に立つ力」というのは、1つの企業に所属している限り、若手から中堅の社員はなかなか得にくいというのが、今の会社員の現状ではないでしょうか。
多くの場合、現場に近い仕事になればなるほど、上司に守られながら、定型化した仕事・役割を回していくことが多いので、矢面に立つ機会はありません。
また、何か特別な思いがあって、意志を持って矢面に立とうにも上は詰まっているのが、いわゆる“会社員あるある”。
一方で、矢面に立たずに上司や先輩に守ってもらえることは、心の底からありがたく、正直面倒なことから距離を置きたい気持ちもあるし、このままでいいやとも思えてしまう。
だからこそ、若手から中堅どころの会社員だと、この「矢面力」はなかなか身につかないのです。
とはいえ、このまま人生100年時代を乗り切れるイメージもなく、どこかでは強くならなきゃいけない。
そこで、出てくるのが「越境経験を通して、矢面に立つ機会を得て、矢面力を身につける」という選択肢なのでは? と私は考えました。
越境すると、本来はその組織・コミュニティにいない異質な存在として、必ず注目されます。発言やアクションを求められて、意思決定する機会も増えるでしょう。
結果、矢面に立つ機会が増え、矢面に立てる人材になれるのでは?という考えです。
でも「越境」が目的化してしまっては、矢面に立てない
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