ASCII Power Review 第115回
5年ぶりのフラッグシップ「Z」復活です
新「VAIO Z」5Gモデル実機レビュー = 35W版Tiger Lakeを搭載したハイエンド・モバイルPCだっ!!
2021年02月18日 13時00分更新
「VAIO Z」が復活した。最後のVAIO Zが発売されたのが2016年2月。それ以降、このハイエンドモデルの新機種についてまったく音沙汰がなく、実に5年もの月日が経過したわけだが、満を持して大復活を遂げたのである。
今回のコンセプトは「フラッグシップモバイル」。フルカーボンボディーを採用することにより14型で1kg切りの軽量ボディーを実現しつつ、TDP35WのインテルHプロセッサーでハイパフォーマンスを発揮。「パワーウェイトレシオ」的指標で見れば、間違いなくトップクラスのマシンなのだ。
TDP35WのHプロセッサーを搭載して、重量は1kg切り!
VAIO Zの店頭モデル(個人向け標準仕様モデル)には下記の3機種が用意されている。
●VJZ14190111B(税込39万9800円)
Core i7-11375H+RAM16GB+SSD512GB+14型4K+5G対応
●VJZ14190211B(税込32万9800円)
Core i7-11375H+RAM16GB+SSD512GB+14型フルHD
●VJZ14190311B(税込30万9800円)
Core i5-11300H+RAM16GB+SSD512GB+14型フルHD
CPUはインテル第11世代、Tiger Lakeの35W仕様のCore H35モデル「Core i7-11375H」(4コア8スレッド、3.30~5GHz)または「Core i5-11300H」(4コア8スレッド、3.10~4.40GHz)を採用。メモリー(RAM)はすべて16GB(LPDDR4x)をオンボードで搭載。ストレージはPCI Express Gen 4.0 x4接続の512GB SSDが採用されている。
ディスプレーは14型ワイド(16:9)で、4K液晶(3840×2160ドット、アンチグレア)とフルHD液晶(1920×1080ドット、アンチグレア)を用意。なお4K液晶のみ色域がDCI-P3カバー率99.8%で、HDR(ハイダイナミックレンジ)表示に対応する。
インターフェイスは、Thunderbolt 4(USB Power Delivery、USB 4、DisplayPort 1.4、5Vアシスト充電)×2、HDMI×1、3.5mmヘッドセット端子×1を装備。無線通信はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1をサポートし、最上位のVJZ14190111Bは5G通信にも対応する。SIMタイプはnanoSIMで、国内主要3キャリアのモジュール認証を取得している。
生体認証は、電源ボタン一体型指紋認証センサーと顔認証カメラを全モデルにダブルで搭載。しかも電源ボタン一体型指紋認証センサーは、ファーウェイ製ノートPCと同様にシャットダウン時に押した瞬間指紋を読み取れる。Windows 10が起動してから再度押す必要がないお手軽仕様だ。
本体サイズは約320.4×220.8×12.2~16.9mmで、重量はVJZ14190111Bが約1059g、VJZ14190211Bが約982g、VJZ14190311Bが約958g。バッテリー容量は53Whで、バッテリー駆動時間は4K液晶モデルが約17時間、フルHD液晶モデルが約34時間と謳われている。
なお、個人向けカスタマイズモデルをソニーマーケティングから最小構成26万700円で、VAIOから「パソコンあんしんサポート」含めて最小構成27万2580円で購入可能。OS(Pro/Home)、CPU(i7-11370H/i5-11300H)、メモリー(32GB/16GB/8GB)、ストレージ(2TB/1TB/512GB/256GB)、ディスプレー(4K液晶/フルHD液晶)、5G(搭載/非搭載)、キーボード(英語配列/かな文字あり日本語配列/かな文字なし日本語配列)、TPM(搭載/非搭載)ときめ細かくカスタマイズできる。
さらに、ボディー全面にカーボンファイバーの繊維目を生かした特別な塗装を施し、最大5GHzの「Core i7-11375H」を標準搭載する「VAIO Z | SIGNATURE EDITION」をソニーマーケティングが最小構成35万4200円、VAIOが最小構成36万80円で販売する。さらにスペシャルなVAIO Zをゲットできるわけだ。

本体右側面にHDMI×1、Thunderbolt 4×1、本体左側面にセキュリティーロックスロット、Thunderbolt 4×1、3.5mmヘッドセット端子×1を配置。両側面にThunderbolt 4を配置するとメインボードの設計難易度が上がるが、両側から給電できる使い勝手にこだわったとのこと

同梱されるACアダプター「VJ8PD65W」。半導体GaNを採用することで、出力を60%増やしつつ、体積・重量ともに約30%減と小型軽量化を実現。また抜き差ししやすいように、プラグ部にテーパー形状がつけられている
のぞき見防止フィルターが必要なほど、鮮やかなディスプレー
今回VAIOより、Core i7-11375H+RAM16GB+SSD256GB+14型4K+5G対応という構成のカスタマイズモデルを借用した。14型4K液晶ディスプレーはHDRと、DCI-P3カバー率99.8%の色域に対応しているだけに、階調はきめ細かく、発色は鮮やか。視野角は公表されていないが、かなり深い角度からでもなにが映っているのかはっきりわかるぐらいだ。機密性の高い情報を扱うのなら、ベゼルと液晶の間にはめ込める「専用のぞき見防止フィルター」がお勧め。脱着が可能で、視野角を60度に制限し、ブルーライトを60%カットする効果も得られる。
キーボードユニットも従来のVAIOシリーズから刷新。キーストロークを1.2mmから1.5mmに深くして、キーストロークの安定性と作動力を改善。またキートップに深い凹形状が設けられている。さらにパンタグラフの材料を見直すことで、静音性を向上。長時間快適、かつ控えめな音でテキスト入力できるキーボードに仕上げられている。
生体認証システムとして、電源ボタン一体型指紋認証センサーと顔認証カメラの両方を搭載しているのはやはり便利。利便性では顔を向けるだけの顔認証カメラのほうが上だが、強い太陽光下では認識しづらいことがある。確実さでは指紋認証センサーに軍配が上がる。さらに前述のとおり、VAIO Zの電源ボタン一体型指紋認証センサーはシャットダウン時に押しても指紋を読み取れる。スリープからは顔認証カメラ、シャットダウンからは電源ボタン一体型指紋認証センサーと使い分けるといいだろう。
なおディスプレー上部の人感センサーと顔認証カメラを組み合わせることで、VAIO Zの前に座るだけで復帰・ログオンする「着席オートログオン」、席から離れるとVAIO Zをロックする「離席オートロック」、VAIO Zの前にいればスリープやスクリーンセーバーの起動をストップする「在席ノーロック」機能も実装されている。
PCIe Gen 4x4接続SSDにより、驚異のリード6000MB/s超え

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