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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第62回

楽天、「送料込み」は価格競争の引き金に?

2020年02月17日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 3月18日から大手ネット通販サイトの楽天市場で、3980円(税込)以上の買い物をすると、送料が「無料」になる。

 運営会社の楽天が打ち出したこの方針を巡り、同社と公正取引委員会の対立がとがっている。

 複数の報道によれば、公取委は2月10日、楽天市場の出店者に不当な負担を押し付けるおそれがあるとして、独占禁止法違反の疑で同社を立ち入り検査した。

 これに対して、楽天の三木谷浩史会長兼社長は2月13日に開いた決算説明会で次のように反論している。

 「4000円以上買うと、みんな込みの値段になるね、ということで売り上げが上がる。消費者保護の観点から、わかりやすいショッピングの場をつくっていくことが極めて重要なポイントだ」

 三木谷氏の主張によれば、ユーザーにわかりやすい価格を示すことで、楽天市場全体の売り上げが向上し、出店者にも消費者にも利益があるとする。

 楽天は、公取委の立ち入り検査を受け、送料を「無料」にするとしていた表現を、「送料込み」へと変更したが、この施策の導入方針は変更しない。

 「送料込み」の実施予定日とされる3月18日まで、楽天と公取委のじりじりとした神経戦が続きそうだ。

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