3月18日から大手ネット通販サイトの楽天市場で、3980円(税込)以上の買い物をすると、送料が「無料」になる。
運営会社の楽天が打ち出したこの方針を巡り、同社と公正取引委員会の対立がとがっている。
複数の報道によれば、公取委は2月10日、楽天市場の出店者に不当な負担を押し付けるおそれがあるとして、独占禁止法違反の疑で同社を立ち入り検査した。
これに対して、楽天の三木谷浩史会長兼社長は2月13日に開いた決算説明会で次のように反論している。
「4000円以上買うと、みんな込みの値段になるね、ということで売り上げが上がる。消費者保護の観点から、わかりやすいショッピングの場をつくっていくことが極めて重要なポイントだ」
三木谷氏の主張によれば、ユーザーにわかりやすい価格を示すことで、楽天市場全体の売り上げが向上し、出店者にも消費者にも利益があるとする。
楽天は、公取委の立ち入り検査を受け、送料を「無料」にするとしていた表現を、「送料込み」へと変更したが、この施策の導入方針は変更しない。
「送料込み」の実施予定日とされる3月18日まで、楽天と公取委のじりじりとした神経戦が続きそうだ。
この連載の記事
- 第315回 暗号資産(仮想通貨)の税金、55%→20%になるか 与党が税制見直し検討も、財務省は前向きとは言えず
- 第314回 SNSの“ウソ”選挙結果に影響か 公選法改正議論が本格化へ
- 第313回 アマゾンに公取委が“ガサ入れ” 調査の進め方に大きな変化
- 第312回 豪州で16歳未満のSNS禁止 ザル法かもしれないが…
- 第311回 政府、次世代電池に1778億円 「全固体」実現性には疑問も
- 第310回 先端半導体、政府がさらに10兆円。大博打の勝算は
- 第309回 トランプ2.0で、AIブームに拍車?
- 第308回 自動運転:トヨタとNTTが本格協業、日本はゆっくりした動き
- 第307回 総選挙で“ベンチャー政党”が躍進 ネット戦略奏功
- 第306回 IT大手の原発投資相次ぐ AIで電力需要が爆増
- この連載の一覧へ