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科学・生物で気になることをお届け! 「数式なんて知らんし!!」 第49回

みんなが願い事をする流れ星 実は「天体衝突」だった

2020年01月08日 12時00分更新

文● イラスト●せれろんやまだ(@Celeron_ymd

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彗星や小惑星帯から飛来する小さいモノ

 何かとキラキラしているこの季節。年明け早々、毎年恒例の天文イベントがあるのをみなさんご存知でしょうか?

 それは『しぶんぎ座流星群』です。毎年1月3〜4日頃に見ることのできる、流れ星の大量発生です。大量発生ということはすなわち、願いごとし放題ですね! 2020年のこの流星群の観測条件は、月の形状がほぼ半月、そして流れる時間帯のピークが夕方と、いわゆる深夜の時間帯から少しズレていることから“まずまず”とされていますが、もしお天気がよいなら見つけてみたいところですね! あえて先に言っておきますが、流れ星はスピードが速すぎて願いごと3回唱える暇なんてございません。しかも群とはいえ、ある1点からいろいろな方向に流れるので意外とどこに流れるかわかりません。願いごとの前に運です、運。

 しかし流れ星って、こうやって多くなる時期が決まっているのって不思議じゃないですか? 運良く見えるモノの発生時期が予測できるってなんだか矛盾してる気がします。そもそも流れ星とはどういうものなのでしょう? あらかじめ言っておきますが、決して“星”が降ってきているわけではありません。天文学的には、星は恒星であったり惑星であったりするので、それらレベルの天体が地球に降ってきたらえらいこっちゃです。

 私たちが流れ星と呼んでいる現象の正体、それは“太陽の周りを公転する小さな天体が、地球の大気圏にぶつかって、突入し発光する現象”です。つまり大きな意味では天体衝突なんですね。ですが、ぶつかる天体の大きさが数ミリから数センチと、小さくて突入時に燃え尽きてしまいます。そのため、突入時、大気の分子との衝突で生じるブラズマとなったガスが光るだけで済んでいるのです。突入して燃え尽きるまで、発光しながら落ちていく様子が“流れる星”に見えたから“流れ星”と呼ばれたワケです。

 この流れ星がスケールアップしたものが“火球”です。流れる星から“火の球(たま)”にグレードアップしました。定義がいろいろ存在するようですが、国際天文学連合では、どの惑星よりも明るい(マイナス4等ほどの明るさ)流れ星を火球と呼んでいるそうです。場合によっては昼にも見えることがあり、最近だとドライブレコーダーにたまたま記録された火球がテレビなどで紹介されることがありますよね。なんと、見えると同時に音が聞こえることもあるようです。が、火球が地表から数十キロメートル上空で生じている現象の割には、音がすぐに聞こえるため、科学者の間ではこの音が大きな謎になっているようです(音速を超えているため)。

 そしてこの流れ星や火球の元になっているのが、彗星の塵や小惑星帯から飛んできた物質である“流星物質”と呼ばれる小さな天体です。流星群は、この彗星が通ったあとの塵の集まりの部分を、地球が公転によって通過することで起こる現象なんですね! そのため、決まった時期に発生し、その起因となる彗星が存在するのです。

 そしてこれらの元が、燃え尽きず地表に落下したものが“隕石”です。この日本にもごくまれに落ちてきてニュースになっています。運悪く人間に当たってしまった例も“有史以降”数件あるようですが、とんでもなく低い確率のようなので、まず心配しなくてもよいような気がします。

 ですが、落ちてくる隕石のサイズが大きいと、とんでもない被害を出してしまうことがあります。皆さんも記憶に新しい、2013年のロシア・チェリャビンスクの隕石落下です。昼間だというのにまぶしいばかりの閃光、青空にくっきりと尾を引く煙(実際は隕石雲)、そして落下時の衝撃波による甚大な建物被害と、それによる人的被害。大けがをしてしまった人もいます。

せれろんやまだ

 大手PC関連デバイス販売代理店で敏腕を誇った“姐御”。科学好きが高じてついに連載開始。夢は家事を放棄すること。

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