今回の『週替わりギークス』では、バーチャルYouTuber(VTuber)について、考えてみたいと思います。キズナアイや輝夜月といった有名VTuberのブームに始まり、最近では音楽を中心に据えたアーティストのようなVTuberも増えています。
この記事では、そういったVTuberのトレンドや背景にある技術などを俯瞰していきます。同時に、有名な演者はもちろん、だれもがアバターを着飾るという、未来のコミュニケーションの可能性もご紹介します。
現在は8000名を超えるVTuberが活動している
最近では、小学生の「将来なりたい職業」ランキングでも上位にランクインする「YouTuber」。彼らはYouTubeに動画を投稿して広告収入を得たり、企業とコラボレーションをしたり、グッズを販売したりといった方法で収入を得ています。現在も数多くのYouTuberが活動していますが、その増加を上回るようなスピードで増えているのがVTuberではないでしょうか。
その名のとおり、バーチャルなキャラクターがYouTuberとして活動するのがVTuberです。チャンネル登録者数400万人を超えるキズナアイは2016年11月に活動を始めていますが、日本国内のブーム自体は2018年頃から始まっています。ユーザーローカルの調査によると、現在では8000名を超えるVTuberが活動しているようです。
これほど多くのVTuberがデビューしている要因としては「顔出し」をしなくても活動が成り立つことが挙げられます。後述するトラッキング技術を用いて、セルルックなアバター(アニメキャラクター調の3DCGモデル)を操作して動画を投稿するため、本人が登場しなくてもYouTuberとして活動できるのです。
今でこそ、企業や自治体が数多く参入しています。しかし、ブームの火付け役は「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」という個人制作のVTuberだとされています。どちらかというと、このVTuberは個人で3DCGモデルを作って動画制作ができることへの、技術的な側面で注目されていました。
そのような初期のブームのなかで、「にじさんじ」という会社が2Dのイラストレーションを操作するVTuberを数多く輩出。ブームが拡大し、さらに別の流れが生まれました。バーチャルライバーです。
同じVTuberとして一括りにされることが多いものの、2Dイラストを動かして配信をするバーチャルライバーは、キズナアイなどのVTuberとは性質が違います。3DCGモデルが動くという技術的な目新しさではなく、演者自身のトーク力などが高く評価されました。「にじさんじ」に始まるバーチャルライバーが生んだ需要は、業界や技術の流れに大きな影響を与えています。
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