地球のある太陽系は天の川銀河の中に
夏の日本の風物詩のひとつ、七夕。七月七日(地域によっては8月)に、地球上では笹の葉に願い事を託す日、天球上では年に一度の夫婦の再会の日です。織姫と彦星って実は夫婦なんですよ。
2人は結婚する前はものすごく働き者で、天の川をはさんで住んでたんですが、結婚していざ同居すると、イチャコラしすぎて仕事をしなくなってしまい経済的生産性が下がってしまったので、怒った神様が再び別居させたって話です。んで、年に一度七夕の日にだけ会えると。神様、ブラック企業かよ。
そんな七夕伝説に欠かせないのが、ベガとアルタイル、そして天の川ですね。ベガとアルタイルは一等星で、天の川をはさんだ位置に輝いています。地球から見れば意外と近くにありそうですが、実際この2つの星は約15光年離れています。光の速さでも15年かかりますから、七夕当日の日帰りってどんだけの速さが必要になるねんって感じですね。そもそも相対性理論に違反しますけど。
では、天の川の正体はなんなのでしょう? 星雲でしょうか? それとも、ただ一方向に星が集まっているのでしょうか? これ、実は私達太陽系が所属する“銀河系”を内側から見た姿なのです。
銀河系とは、我々の太陽系が所属している銀河です。銀河は恒星をはじめ、いろいろな物質が重力によって集まった天体で、銀河系はそのひとつです。集まっている星が川のように密集して、地球から見えているのが“天の川”なんですね!
銀河系以外にも、たくさんの銀河がこの広大な宇宙には存在しています。まぁ広いから銀河同士の間隔は途方もないくらい離れていますが……、なんと銀河系は、将来アンドロメダ銀河と衝突するらしいですよ! 銀河同士の衝突なんて、想像したら恐ろしいですね!
そもそも銀河と聞くと、渦巻いてるものを想像すると思います。これ、実は銀河の中心にとても大きい(質量バリ重の)ブラックホールがあるんです。太陽系は、太陽とその質量から生じる重力の影響を受けて、その周りをくるくる回っている惑星などの集まりですが、その太陽系すらくるくる回す銀河系の中心のブラックホールの質量はとんでもないんでしょうね。そんな銀河系の中心にあるブラックホールは、“いて座”の方向にあります。
そんな銀河系のデカさと構造を、ふんわり説明したいと思います。
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