古い細胞の割合が多いから老ける!?
ウチには3歳の子供がいます。普段はなるべくフツーの母親としてこの子に接していますが、たまに“生物学的な興味”でこの子を見ると、いろんなことに気がつきます。
とにかくみずみずしい皮膚、ホクロなんてないです。シミもシワもなく、すべてがまだまだ新品です。髪の毛もサラッサラしてるし、とにかく疲労からの復活も早い。2時間も寝れば充電完了です。来年2倍の成人式のせれろんやまだ、そりゃ3歳児と比べりゃ雲泥の差だよ! と突っ込まれそうですが、よく考えると、同じ年代でも違います。肌や髪のツヤ、体力など、若々しい人もいれば年相応な人もいる。そして困ったことに、大人になると外見にその差が出てきます。そう、“老化現象”です。いったいこの老化現象ってどっからくるの!?
老化現象の鍵を握っているもの、それが細胞の中にある『テロメア』です。染色体のさきっちょの構造部分で、染色体を保護する役割を持っています。このテロメア、細胞が分裂するとだんだん短くなるんですね。そしてこのテロメアの長さがあるところまで来ると、細胞は分裂を停止してしまいます。その後その細胞に待っているのは、細胞自体の老化と死です。若い時にはまだまだ長さが残っていて活発だった細胞分裂も、回数を繰り返すごとになくなり、やがて新しい細胞を生み出さなくなる……つまり老化です。この細胞の寿命が個人個人で異なるので、外見や体力などに差が出てくるんですね。
このテロメアをなんとか持ちこたえさせて、いつまでもみずみずしいままでいられないもんでしょうか……と思ったら、どうやら『テロメラーゼ』というものが、その鍵を握っているらしいです! このテロメラーゼがあれば、寿命が延びたり、不老不死になったりするのでしょうか!?
この連載の記事
- 第100回 今でこそ当たり前に使っている「ゼロ」の不思議
- 第99回 新型コロナ研究にも貢献! スパコンって一体どんなことをしているの?
- 第98回 宇宙の果てはどこにある? そもそも果てなんてあるの?
- 第97回 AIが人間を超える“シンギュラリティー”って一体何なの?
- 第96回 意外と深いハチの世界! オスは上げ膳据え膳の生活!?
- 第95回 もう少しで新しいロケットがお目見え! “H3ロケット”
- 第94回 小惑星探査機「はやぶさ2」はどうやってサンプルを回収したの?
- 第93回 もうすぐ夢が現実に! “超電導リニア”はどこまで進んでる?
- 第92回 “マンボウ”って本当にすぐ死んでしまうの? 弱い動物のお話
- 第91回 たいていの動物にはある“アレ”が“クラゲ”にはない!?
- この連載の一覧へ