暑すぎて外に出る気も起きなかったであろうここまでの夏。その分、夏の終盤から秋にかけての涼しくなる季節は、外出したくなるのではないだろうか。
レジャーや旅行などに行けば、普段見られない風景が多くなり、写真に収めておきたくなる。キレイな景色やシーンに出会う機会が訪れるならぜひとも写真に残しておきたいものだ。
風景写真は基本的に、どれだけキレイなシーンに出会えるかが重要。プロであれば夕焼けを撮るために何日も待ったり、日の入り前数時間前から準備したりなどは当たり前だが、プロでなければそうそう準備に時間をとれるものでもない。
ただ、不意にキレイなシーンに出会うことはあるので、その時に間違いなく写真に収められるように心の準備だけはしておきたいものだ。
そこで今回は携帯性に優れていていつも持ち運べる人気のミラーレス一眼キヤノンの「EOS Kiss M」を使って風景写真のテクニックを紹介しよう。
目次
- 5万円台で買えるミラーレス一眼「EOS Kiss M」
- 緑や紅葉の色をより鮮やかに撮る
- 水の流れる様子をプロっぽい感じで撮りたい!
- 雰囲気のある写真を撮りたい! 背景を美しくぼかす
- 風景をぼかしたくない! 全体にピントを合わせる
- 逆光を利用して被写体をドラマチックに見せる
- ゆっくり動いている被写体が超高速で動いているように撮る
- 秋の月や夜景をキレイに撮る
- 手軽でも凝った撮影ができるミラーレス一眼カタログ
5万円台で買えるミラーレス一眼「EOS Kiss M」
EOS Kiss Mは、数あるミラーレス一眼の中でも比較的安価に購入可能な機種だ。ボディーのみの実売価格は6万7000円前後で、最安値ベースだと5万円台で買える店もある。
とはいえ、撮像素子にAPS-Cサイズの大型センサーを採用しており、画質面での妥協は少なく、流行りの背景ボケにも有利。このため、人気の高い機種となっている。
Kiss Mのスペックを簡単に紹介しよう。撮像素子は約2400万画素のCMOSセンサーで、キヤノン独自の「デュアルピクセルAF」に対応している。
以前の「ハイブリッドCMOS AF」を採用していた機種(初代EOS MやEOS M2、EOS M3)は、正直他社のミラーレス機よりもAF速度が遅かった。
デュアルピクセルCMOS AFの採用により他社製品よりAFが速くなった、というのは言い過ぎだが、不満を感じるほどではなくなった。
また、発表時に話題になったのが、画像処理エンジンに最新の「DIGIC 8」を初めて採用したこと。これによってEOS Mシリーズの中ではエントリークラスでありながらも一部で上位モデル(EOS M5やEOS M6)を超える仕様になってしまった。
DIGIC 8の採用によってクロップではあるが4K動画の撮影が可能になったり、高感度撮影時での画質向上、AF性能の向上など、さまざまな効果が期待できる。
4Kに対応したタイムラプス動画の撮影機能や、シーンを自動認識する「インテリジェントオート」、任意に撮影シーンを選ぶシーンモードや特殊な効果が得られるフィルター機能なども搭載されている。
Kissシリーズということでカメラの知識があまりない人向けの機能が多く揃っている。そのほとんどが基本的に持っているさまざまな機能を自動的に割り当ててくれるが、もちろん任意に設定することもできる。
フルオートからはじめて少し工夫した写真を撮るために任意に効果を割り当てる、というステップアップを楽しめるデジカメがEOS Kiss Mだ。
そこで、次ページ以降(アスキー倶楽部会員向け)では、いくつかの例を上げて風景写真をよりキレイに撮ったり、個性的に仕上げる工夫を紹介していこう。
オートのままのほうがいい場合もあるが、偶然性に頼らず機能を知って任意に引き出せるようにしたい。
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