キヤノンは2月26日、ミラーレス一眼「EOS Kiss M」を3月下旬に発売すると発表した。ボディーのみの同社直販予定価格(税別)は7万3500円。
同社の「EOS Kiss」シリーズはデジタル一眼レフ(エントリーモデル)の名称だったが、本機はそのミラーレス版となる。
キヤノンのミラーレス機における現行のエントリーモデルは「EOS M100」だが、その上位機種にあたる。EOS M100はEVFのないコンデジスタイルの製品だが、EOS Kiss MはEVFを搭載する。そのさらに上には「EOS M6」「EOS M5」があるわけだが、新機種は初投入となる最新の画像処理エンジン「DIGIC 8」を搭載。上位機を含む従来機種よりも新しい画像処理性能や豊富な機能を備えている。
AF性能が進化 広く、速く、正確に
まず、同社独自の「デュアルピクセルCMOS AF」が進化し、一部のレンズで測距エリアが拡大。従来表示エリアの80%×80%までだったが、88%×100%まで広がる。また、測距点も横11点×縦9点だったものが縦13点×横11点に増える。
また、AFフレームサイズを「小」に設定していてもコンティニュアスAFに対応でき、よりシビアにフォーカスポイントを合わせられる。
なお、撮像素子(APS-C CMOSセンサー)自体は従来機と同等のものとなるが、有効画素数は2420万画素から2410万画素に微減している。
AFの追従性も向上した。類似する被写体や背景と同色の被写体の追尾精度が強化されている。
追従連写についてもEOM M5の秒間7コマから7.4コマと若干高速になった。なお、AF固定時は秒間10コマ(EOS M5は秒間9コマ)になっている。
感度の拡張でISO 51200まで設定可能
常用感度設定はISO 25600まで。これは従来機と変わらないが、拡張設定が可能となり、最大ISO 51200相当まで設定できるようになった。
最低測距輝度もEV-2となり、EOS M5より暗いシーンでのAFが1段分改善したほか、高感度側の階調を拡張することで白トビを改善。明るさやコントラストを補正する「オートライティングオプティマイザー」も進化し、人物の顔の白トビを低減できる。
また、AEの改善で逆光時でも顔を明るく写せるほか、人物の瞳を検出してフォーカスを合わせる「瞳AF」を新たに搭載。瞳にピントの合った写真を簡単に撮れる。