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見られたくないデータは死んでも隠し通したい! 古田雄介の「恥よ! 墓へ!」 第37回

秘密のストレージは、物理的に隠して「見えなく」する

2017年09月17日 17時00分更新

文● 古田雄介

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ハードもソフトも隠せば
お釈迦様でも気づくまい

 パソコンの中の恥ずかしいデータを隠すとなると、OS上でできる限り目立たないようにしたり、ロックをかけたりといったソフト面での措置が目立ちますが、物体としてのHDDやSSDを隠すというハード面の視点も持っておいたほうがいいでしょう。とりわけ自作パソコンにおいては。

 第35回でちょっとだけ触れましたが、今回は本腰を入れて物理的にドライブが隠せるパーツ構成を考えてみたいと思います。

 ストレージの種類でいえば、もっとも適しているのは間違いなくM.2 SSDでしょう。PCパーツにあまり詳しくない人から見たらメモリーと区別がつきませんし、HDDに比べたらそこまで知られていません。マザーボードにしれっと刺さっていても、「なんか基板の一部っぽい」くらいの認識で見過ごされる期待が持てます。

 さらに、M.2スロットが基板の裏側に置かれていたり、チップセットと兼用のヒートシンクでM.2 SSDも覆う構造になっていたりするマザーボードと組み合わせれば、ステルス効果は倍増するでしょう。パソコン工房 秋葉原BUYMORE店も「M.2スロットは自己主張が控えめなデザインが多いですからね。そういう視点で考えたことはなかったですが、確かに隠しやすいかも」と話していました。

 このM.2 SSDの特性を生かすなら、物理的に目立つHDDや2.5インチSSDと併用するのがいいでしょう。中身を見られても構わないボリュームはそれらに任せ、存在すら気づかれたくない領域をM.2 SSDが担当するという感じです。M.2スロットが1基しかない場合はブート用に使われることが多いので、この棲み分けは難しいと思いますが、セカンド以降のスロットがあれば現実的ではないかと思います。ただ、両スロットのステルス性に開きがあることが多いので、目立つ方をブート、隠しやすい方をボリュームといった具合に調整する意識が求められるでしょう。目立つ側の内部接続が劣る場合は悩ましいですが……。

 現実的な話をすると、パソコンの内部を調べられる時点で家族は相当本気ですから、完璧にステルスしても逃げ切れるかは微妙でしょう。ですが、合わせ技のひとつに使うなら案外有効な手段だと思いますよ。

今週のポイント

M.2 SSDとスロット

M.2 SSDは現行のストレージのなかで抜きん出て隠しやすい。ステルス性の高いスロットに装着すれば、マシン内部を調べられても気づかれずに済むとも期待できる……!?

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