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見られたくないデータは死んでも隠し通したい! 古田雄介の「恥よ! 墓へ!」 第31回

本を書いてみたら恥データを探す家族のほうが学ぶ必要があった!

2017年07月30日 17時00分更新

文● 古田雄介

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遺族編84ページに対し、本人編は34ページだった

 8月5日にデジタル遺品に関する効率的な取り扱い方をまとめた書籍「ここが知りたい! デジタル遺品」を刊行します。

 デジタル遺品ってなに? という初歩的なところから、パソコンにアドミニストレーター権限でログインして持ち主のパスワードをリセットする方法などかなり具体的なテクニックまで解説しています。

 そう書くと「裏切り者!」と罵られそうですが、本人目線で恥ずかしいデータを隠しきるための作戦もたくさん盛り込んでいるのでご容赦ください。デジタル遺品の対応に悩む遺族の立場と、手持ちのデジタル資産の行く末を整理したい本人の立場。この双方で役立つことを意識しました。

 そうなると、どちらの立場でも同じくらいの情報量を提供することになりそうですが、書いてみると当初の予想と異なる結果になりました。全体で192ページの本となりますが、遺族向けの第2章は84ページあるのに対し、本人向けの第3章は34ページで、ダブルスコア以上の差ができていたのです。

 決して第3章を手抜きしたり、第2章に気合いを注ぎすぎたりしたわけでなく、冷静に組み立てていった結果です。

 この差にはデジタル遺品に関するある種の真理が隠されているように思います。

今週のポイント

情報の非対称性:元は経済用語で、やりとりする双方でそのものに対する情報量に差がある性質を指す。デジタル遺品を残す側と残される側には、普通の遺品以上に大きな差が生じやすい。

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