ただ安いものを紹介するのではなく、機能や性能に対して値段が安く、これはお買い得だ! と思われるものをピックアップし、各分野の専門ライターが実際にレビューする本特集。
第1回ではAV機器を紹介したが、今回はデジタルカメラのお買い得製品をピックアップ! いろいろ調べた結果、お買い得だったのは……意外にもレンズ交換式だ!
たとえばキヤノンのミラーレス一眼「EOS M10」は最安値ベースで3万円ほどで購入でき、これにLED内蔵マクロレンズ「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」を組み合わせると、接写撮影でアドバンテージを得られるなる。
そのほか、以下のような機種を紹介していく。
各機種については、実写撮影したサンプルをフルサイズで表示可能な状態で掲載。撮影画質の細かい点についても解説する。(編集部ハシモト)
スーパーマクロ撮影もできる!
3万円のキヤノン「EOS M10」にLED内蔵マクロレンズ
2015年の10月に発売されたキヤノンのミラーレス一眼「EOS M10」はボディーのみの最安値が3万を切っており、かなりお買い得感があるデジカメだ。
EOS Mシリーズでは最新モデルだが、画素数は約1800万画素で「M3」の約2420万画素より少なく、その前のモデル「M2」と同等。ちょっとハイエンドユーザーを意識した「M3」よりはエントリーに近く、汎用性重視の方向である。
最大の特徴といえるのが背面モニターで、上側に約180度起こせるので自分撮りがしやすくなっている。背面モニターはタッチ操作が可能で、上方へのチルト機構は普通に使いやすい。エントリー色の強いイメージだが、実用性は十分である。
この「EOS M10」におすすめのレンズが「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」(実売価格 3万5000円前後)。「EF-M」レンズでは6本目、単焦点レンズは2本目になるマクロレンズだ。
35mm判換算で約45mmに相当する標準マクロレンズで、開放F値こそズームレンズ並だが標準域のマクロレンズとなれば常用性が高く、EOS Mユーザーにとっては待望のレンズと言っていい。
このレンズの特徴は、前面にLEDライトが内蔵されている点。光源内蔵レンズといえば古くからのカメラ好きな人なら「メディカルニッコール」を思い出すだろう。Fマウントを採用しているので現在のニコンのデジイチでも使えるようだが、120mmという焦点距離的にも、大きさ的にもちょっと使いにくい。
しかし、EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMは「M10」と一緒に発売された標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」とほぼ同じ大きさとなる。
M10のサイズは幅108×奥行き35×高さ66.6mm、重量はバッテリーとメディア込みで約301g。EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMは最大径約60.9mm、長さ約45.5mm(収納時)で重量は約130g。組み合わせた状態でも持ち運びしやすく、これだけでなんでもできる気がしてくる。
撮影時にはレンズの繰り出しが必要だが、撮影可能状態にしてもそれほど飛び出るわけではない。通常モードとスーパーマクロモードでも繰り出し量はそれほど変わらず、またリアフォーカス方式を採用しているので、撮影距離が変わってもレンズの全長は変わらない。
撮影倍率は通常撮影モードで1倍、スーパーマクロモードへ切り替えると1.2倍の撮影が行なえる。このマクロ倍率は35mm判フルサイズでの場合なので、APS-CサイズのMシリーズに装着すると通常撮影モードで1.6倍、スーパーマクロモードで1.92倍のマクロ撮影が行なえることになる。
通常撮影モードでの最短撮影距離は約0.097m、スーパーマクロモード時は約0.093m、これは撮像素子面からの距離で、レンズ先端からの距離はそれぞれ17mmと13mmになる。
LEDライトは前面レンズの左右に配置され、ライトの強/弱の切り替えのほか、片方だけ点灯させることも可能で、レンズの周りをぐるりと一周するようにLEDの拡散用にディフューザーがついてるので影も柔らかい。
手ブレ補正機構もハイブリッドIS搭載なので安心感もあり、携帯性のいい標準マクロなので日常的にも使いやすく常用性は抜群にいいと思う。
次ページ(アスキー倶楽部会員向け)からは、実写撮影サンプルを掲載しつつ、画質について詳しく見ていく。画像はクリックでフルサイズ表示可能だ。また、キヤノンのデジタル一眼レフやニコンのミラーレス一眼も紹介していく。