「日本に、自由な決済を」日本ビットコイン産業、約8億円をビットコインで資金調達
日本ビットコイン産業株式会社

日本ビットコイン産業株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役:久世 大亮、以下「当社」)は、フルグル合同会社(本社:東京都新宿区、以下「フルグル」)および株式会社ANAPライトニングキャピタル(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 和弘、以下「ALC」)を割当先とする総額約8億円の第三者割当増資を実施することを決定しました。出資は全額ビットコインによる現物出資で行い、給付予定日は2026年11月2日です。あわせて当社は、ALCとの間で、ライトニングネットワークのルーティング事業に関する業務提携基本契約を締結しました。
当社は本増資により、「日本人が決済主権を持つことができる」決済インフラの構築を加速します。
私たちは、自由な決済で、表現の自由を守り、日本企業の海外売上創出に貢献します。
私たちが解決したい問題日本は、世界有数の「売れる文化」を持っています。アニメ、ゲーム、音楽、イラスト、同人、そしてそれらを支える制作技能とエコシステムの厚さは、どれだけ資本をかけても短期間には再現できません。長期の円安も相まって、日本の文化と技能はいま、世界から最も評価されている局面にあります。
一方で、その代金を受け取る「レール」のほぼすべては、国外企業のものです。手数料も、取引ルールなども、自国の都合ではコントロールできません。日本の法律で問題のない表現であっても、国外企業のグローバル統一規約と摩擦し、取引そのものを止められる事例が近年増えています。デジタルが前提の時代において、表現の自由は、決済の自由と不可分です。
私たちは決済のために表現が犠牲になる仕組みを解決したいのです。

私たちが目指す『2つの自由』

当社は、国を跨いだ自由な決済を次の2つの自由として定義し、ビットコインとライトニングネットワークで実現します。
売りたいものを売る自由
決済手段を理由に、販売を諦めなくてよい社会へ
国際ブランド決済などでは、何を売ってよいかは各国の法律ではなく、グローバル統一の規約で決まります。2024年には、日本の法律上は問題のない作品を扱う国内の複数のコンテンツ販売サイトで国際ブランドのカード決済が相次いで停止し、2025年7月には海外の大手ゲーム配信プラットフォームでも、決済処理業者の規約を理由に100本を超える作品が配信停止になりました(注1)。国際ブランド決済を使えない国内コンテンツ市場の越境決済の逸失売上は年間数百億円規模に上ります(当社試算、注2)。
ビットコインには発行者がなく、取引ごとの承認者もいません。決済事業者や他国の都合で商品の販売を止められない。それが、私たちの目指す1つ目の自由です。
売りたい相手に売る自由
カード決済で対応できない世界中の潜在顧客に販売できる
国や地域によって、普及している支払い方法は異なります。日本はEC決済額の55%をクレジットカードが占め、調査対象の40市場で最もクレジットカードへの依存が高い市場です(注3)。しかしクレジットカードを持つ成人は世界で約4人に1人。一人当たりGDPが2万ドルを超える国・地域に限っても4割以上の成人はクレジットカードを持っていません(注4)。
米中の消費者への越境EC販売は4兆2,350億円と前年比8.3%増えています(注5)。買いたい商品を、自分に合った方法で購入できること。決済手段の選択肢を増やすことが、国境を越えた販売機会につながります。
私たちは、カード決済との併用も可能な、ビットコインで代金を受け取れる仕組みを提供します。ビットコインは、世界で約61.5億人いるインターネット利用者なら、カードがなくても使えます(注6)。必ずしもカード決済が利用できない世界中の顧客と、ビットコインを通して取引できる機会を作る。それが、私たちの目指す2つ目の自由です。
自社サービスで培った「自由な決済」を支える技術
ビットコインは、特定の誰かの判断に左右されないお金です。発行者がおらず、取引ごとの承認者もいません。そのビットコインを即時・低コストで動かす「ライトニングネットワーク」を使えば、世界中の誰からでも、入金まで数秒、チャージバックなしで代金を受け取れます。

日本企業が提供する表現や商品を、決済事業者や他国のルールに影響されない手段で販売し、その対価を受け取る。当社はそのためのインフラを、自由に使える通貨ビットコインの決済技術であるライトニングネットワークで構築し、自社サービスで2年間にわたり運用してきました。その過程で税務(受領時の売上計上と期末評価)、法律(当社が利用者の資金を預からない設計)、実運用(ノードの運用と流動性の管理)の課題を一つずつ解決してきました。
ビットコインはすでに投資のみでしか使えない段階を超え、価値の支払い・受け取りのための道具として普及し始めています。今回の増資は、この道具を日本において「実用可能」にするための資本として活用します。
「ビットコイン決済は失敗した」のか ― 2025年が転換点
ビットコイン決済は2010年代に期待を集めたものの、保有者が少なかったことや送金に時間を要したことから日常の支払い手段としては十分に広がりませんでした。しかし、ここ数年で状況は変わり、高速・少額決済を可能にする送金技術が発達し、世界各国でビットコインが「資産」として地位を固めたことから、ビットコイン決済が再び脚光を浴びています。
- 保有者の増加:2026年5月の推計では、世界のビットコイン保有者は約3億人とされています(注7)。これは2018年の暗号資産保有者約3,500万人と比べておよそ9倍の規模です(注8)。米国では2024年1月に現物ETFが承認され、その純資産は約1,000億ドルにも達しています(2026年10月、注9)。
- 決済:ビットコインの高速・少額決済を実現したライトニングネットワークの月間決済額は2025年に10億ドルを超え、年間で4倍に成長しました(注10)。世界の暗号資産取引所のうち、取引高トップ10社のうち7社がこの技術を使って入出金に対応しています(注11)。オープンソースマップの『BTC Map』に登録されたビットコイン決済可能な実店舗は世界で2万7千を超え、2024年初の約4倍です(注12)。さらに、米国では大手決済端末事業者『Square』が2026年に約100万の加盟店でライトニングネットワーク決済を有効化しました(注13)。
こうした変化を象徴するのが、月間利用者約5,900万人の米国の大手決済アプリ「Cash App」の取り組みです。2025年11月に、ビットコインを持っていなくても、アプリ内のドル残高からビットコイン決済を利用できる機能を発表しました(注14)。事前にビットコインを購入する手間をなくし、日常の買い物で使いやすくする取り組みです。
資産として確立したことで莫大な流動性が生まれたことにより、ビットコインは、円やドルといった法定通貨、そしてステーブルコインといった「誰かが発行するお金」同士を橋渡しします。つまり、ビットコインを使えば、あらゆるお金での決済に対応できます。

昨今、ステーブルコインの流通額の増加とともに、ビットコインの決済額の増加も顕著です。ステーブルコインは特定の国の通貨の延長であり、実際は98%が米ドル建てです。発行者は凍結命令や特定の国の規制に応じる義務を負っているため、国と国の間に立つ中立な中間物にはなりません(注15)。ビットコインは完全に中立な性質を活かした決済ネットワークとして、着実に利用され始めています。
本増資の概要

Fulgur Venturesとの協業について
Fulgur Venturesは、2019年からビットコインとライトニングネットワークの領域だけに投資してきた米国のベンチャーキャピタルです。シンガポール(Fulgur Asia)と日本(フルグル合同会社)にも拠点を持ち、世界各地の60社以上に投資しています(注16)。ビットコインの基盤技術を手がけるBlockstreamの2億1,000万ドルの資金調達を主導したほか(注17)、2025年にNasdaqへ上場したビットコイン金融サービスFoldの主要株主でもあります(注18)。
当社とフルグルは、ライトニングネットワークに関する技術者の育成と情報発信について、Tokyo Bitcoin Baseおよび新潟県佐渡市での活動を軸に協業を協議していきます。
株式会社ANAPライトニングキャピタルとの資本業務提携について
当社とALCは、ライトニングネットワークのルーティング事業に関する業務提携基本契約を締結しました。ALCが保有するビットコインを当社が運用するライトニングネットワークのチャネルに流動性として配置し、日本発のルーティング基盤を共同で育てていきます。
ALCを傘下に持つANAPホールディングスは、ビットコインを活用した事業戦略を進める上場企業です。当社は、同グループとの提携により、ライトニングネットワークの流動性と決済ネットワークの両面で日本の基盤を厚くしていきます。
資金使途と今後の展開

- ルーティング事業の流動性:ライトニングネットワークのルーティング基盤を拡充し、国内外の決済を支える流動性を厚くします。
- 決済インフラの開発:事業者がAPIで既存の決済手段に追加できるライトニング決済「aurora」をはじめ、受け取る側・払う側双方のプロダクトを強化します。
- 人材:国内のビットコインエコシステムを支える次世代の人材を育成していきます。
当社は、日本のクリエイター、事業者、そして日本に住むすべての人が「表現や販売の自由を、決済の自由によって守られる」状態を当たり前にすることを目指します。
コメント
フルグル合同会社 代表社員(CEO) 川合 林太郎 氏
「弊社はTokyo Bitcoin Baseで日本ビットコイン産業と出会い、グローバルのビットコインスペシャリストとの交流を通じて、同社のビットコインならびにライトニングネットワークに関する知見が世界水準に引けを取らないものであると確信しました。同社は、次世代の有望な公共決済インフラになるであろうライトニングネットワークを自社サービスで実際に運用してきた経験も有しています。テクノロジーのみならず、税務・法務・ノード運用・セキュリティといった実装上の課題を一つずつ解決してきたチームは、国内はもとよりグローバルでもそう多くはありません。弊社はそのチームの力を信頼し、今回出資するとともに、今後の資金調達においてもリードインベスターとして継続的に、同社の資本政策や戦略の実現を支援することを決めました。日本の優れた文化や商品が、決済手段に縛られることなく世界に届く。その基盤を、同社とともに築いていけることを楽しみにしています。」
株式会社ANAPライトニングキャピタル 代表取締役社長 山本 和弘 氏
「ANAPグループは、ビットコインの社会実装を目指し、ビットコインを中核とした事業戦略を進めています。日本ビットコイン産業は、絵空事にとどまらず、実態を伴ってビットコイン関連事業をスケールさせるために欠かせない重要なパートナーです。同社は実証実験(PoC)をゴールとせず、相応規模の収益化までを見据えて事業を組み立て、実際のサービスとして運用してきた事業化集団である点が、同社の代替の利かない強みであると考えます。今回、出資による資本面と、ライトニングネットワークのルーティング事業における業務提携の両面から、同社を支援させていただくことといたしました。両社の力を合わせて日本発のライトニング基盤を育て、ビットコインが日常の決済で当たり前に使われる社会の実現を加速してまいります。」
日本ビットコイン産業株式会社 取締役 加藤 規新
「日本企業が決済手段によって市場を限定されてしまっている現状は、まさにビットコインの活用で打破できる重要な課題です。こうした中、ここ数年で海外ではビットコインで支払う方法を持つ方が数億人にまで増加しており、いよいよ越境決済での活用がより現実的になってきました。ALC、フルグルの皆さまとともに、決済インフラの観点から日本の表現の自由を全力で守ってまいります」
日本ビットコイン産業株式会社 取締役 岡田 淳
「ビットコイン決済に携わる中で、その普及には、利用者の使いやすさと、事業者が無理なく導入し、使い続けられる仕組みの両方が欠かせないと感じています。ビットコインで商品を購入できるECサービス「UseBitcoin」の運営を通じて培ってきた知見を生かし、ビットコインでの支払いが日常の選択肢となる環境を整えていきます。今回の資金調達を機に、ご支援いただく皆さまや利用者の皆さまとともに、日本の商品やサービスが世界のお客さまに届く機会を広げられるよう、努めてまいります。」
会社概要
日本ビットコイン産業株式会社(Japan Bitcoin Industry Inc.)
所在地:東京都大田区大森東3-27-13
代表者:代表取締役 久世 大亮
設立:2024年11月26日
事業内容:ビットコインを活用した決済インフラの構築・提供(aurora、UseBitcoin、ヤップアイランド、ビットコイン研究所)
資本金:4億9,976万円(資本剰余金等を含む)
URL:https://jbi.co.jp
フルグル合同会社(Fulgur Ventures)
所在地:東京都新宿区四谷本塩町2-8(Tokyo Bitcoin Base)
代表者:代表社員(CEO) 川合 林太郎
事業内容:ビットコインおよびライトニングネットワーク関連のスタートアップを対象とした投資・アドバイザリー業務
株式会社ANAPライトニングキャピタル
所在地:東京都港区南青山4-20-19
代表者:代表取締役社長 山本 和弘
事業内容:投資事業、コンサルティング事業、ビットコイン関連事業等
注記
- 本リリースは、当社の資金調達および業務提携に関する情報提供を目的としたものであり、有価証券の取得の勧誘を目的とするものではありません。
- 本リリースに記載した将来の見通しは、現時点で入手可能な情報に基づくものであり、実際の結果はさまざまな要因により異なる可能性があります。
- 出資は関係当事者間の契約に定める条件の充足を前提とします。
- 本文中の各種統計は注に示す公表資料に基づき、当社試算・集計・調べと明記したものを除き第三者の公表値です。
注(出典)
- 注1:国内の複数のデジタルコンテンツ販売事業者の告知(2024年4月~12月)、海外ゲーム配信事業者の告知(2025年7月、配信停止数は第三者集計で100本超)。
- 注2:当社試算。同人誌市場1,340億円(矢野経済研究所、2024年度見込)のオンライン販売分(50%と仮定)670億円と、成人向けを含むデジタルコンテンツ配信市場(公表値がなく1,000億円と仮定。参考:大手デジタル同人販売サイト運営会社の売上は2020年度に250億円)の合計1,670億円に、国際ブランドカード決済の割合65%と他の決済手段に移らない割合50%(参考:Checkout.com調査で誤拒否を受けた消費者の45%が再試行しない)を乗じて約540億円。カード停止に伴う販売中止や出品見送りの機会損失は含まない。
- 注3:Worldpay「Global Payments Report 2025」(2024年のEC決済額ベース、調査対象40市場)。日本の比率55%は40市場で最も高い。
- 注4:世界銀行「Global Findex Database」の各国最新データ(主に2021年・2024年、一部2017年)を成人人口で加重した当社集計。世界全体は約25%、一人当たりGDP2万ドル超(世界銀行2024年、台湾はIMF)の国・地域はデータのある46で約57%、日本は69.7%(2021年)。
- 注5:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025年8月)。日本事業者からの購入額は米国1兆5,978億円、中国2兆6,372億円、合計4兆2,350億円(前年比8.3%増)。
- 注6:DataReportal(Kepios)「Digital 2026」(2026年10月時点、インターネット利用者61.5億人)。
- 注7:River「How Many People Use Bitcoin?」(2026年5月時点の推計、世界人口の約4%)。
- 注8:ケンブリッジ大学「2nd Global Cryptoasset Benchmarking Study」(2018年12月、本人確認済みの暗号資産利用者約3,500万人)。注7とは集計の対象・手法が異なる。
- 注9:米SEC(2024年1月10日、現物ビットコインETP承認)、SoSoValue集計(2026年10月中旬、米国現物ビットコインETFの純資産合計)。
- 注10:River「Bitcoin Adoption Report 2026」(2026年2月)。月間決済額は2025年に10億ドル超、同年に300%増加(前年の約4倍)。主要ノード運用者のデータに基づく推計で、米ドル建てのためビットコイン価格の上昇を含む。
- 注11:当社調べ(2026年10月、CoinGeckoの取引所ランキング上位10社の公開情報を確認)。
- 注12:BTC Map(2026年10月20日時点27,290店舗、2024年1月時点約6,300店舗)。利用者による登録のため、登録の進展も含む。
- 注13:Block社発表(2026年5月、米国の約100万加盟店で有効化)。有効化は受付可能化であり、取引実績ではない。
- 注14:Cash App発表(2025年11月13日)。月間利用者数はBlock社「2026年第1四半期 株主向けレター」(月間取引アクティブ数5,900万、2026年3月)。
- 注15:国際決済銀行「BIS Papers No.170」(2026年5月、ステーブルコイン発行額の約98%が米ドル建て)、米GENIUS法(2025年7月、許可発行者に法令に基づく凍結命令への対応能力を義務付け)。
- 注16:Fulgur Venturesウェブサイト(2026年10月時点。投資先一覧の掲載60社以上、Fulgur Asiaはシンガポール拠点)。2019年からの活動は注17による。
- 注17:Blockstream発表(2024年10月15日、Fulgur Ventures主導の2億1,000万ドルの資金調達。2019年からの活動の記載を含む)。
- 注18:Fold Holdings(Nasdaq: FLD)発表(2025年2月14日)、米SEC提出のSchedule 13D/A(2025年11月、Fulgur系ファンドの実質保有37.5%)。
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