なんと行政がバックアップ、無償公開の狙いとは
Moss-Imageを開発したのは中国のOpen MOSS Teamです。このチームは上海創智学院と復旦大学を中心とした研究機関から生まれたMOSI Intelligence(模思智能)という上海に本拠を置く企業と緊密に連携しています。
そして、4月のエンジェルラウンドで数億人民元(仮に、3億元なら約67億円)、10月のPre-Aラウンドでは10億人民元(約224億円)という巨額の資金が投入されています。その資金調達は、国や自治体につながる資本と、専門投資会社が共同で出資しているところに特徴があります。精華大学に由来する投資会社の華控基金が主導しているものの、上海市のファンド上海科創集団や、国の開発銀行系の国開科創などが投資家として名を連ねています。正確な割合まではわかりませんが、民間だけでなく、行政の強いバックアップによって成立している会社であることは間違いないようです。
発表資料によると、2024年11月に、復旦大学の邱錫鵬(チウ・シーポン)教授が、OpenMOSSチームの研究成果を事業化しました。言語モデルから音声、多モダリティ対応、リアルタイム対話へ研究を広げてきたようです。人が質問を入力するのを待つAIから、映像・音声・周囲の状況を継続して理解し、その場で応答・行動するAIを目指しており、眼鏡、玩具、自動車、家庭用端末、ロボットなどのハードウェアに組み込めるAIの開発を目指しています。
筆者は、Moss-Imageをどうやって収益化につなげるのかが不思議でした。特に、ビジネスモデルについての詳しい言及がないにもかかわらず、Apache 2.0ライセンスという制約が非常に少ないライセンス形態であったためです。10月20日にMOSS-ImageのAPI提供開始を告知しているものの、MOSI Intelligenceは、画像モデルでのサービス展開を通じて、収益を上げることを最大の目的とはしていないと推測できます。対話システム全体を事業化するための過渡的な段階として公開し、多くのユーザーに用途を探ってもらい、後発ながらデファクトスタンダードを狙おうという意図があるのだと考えられます。
MOSI Intelligenceのプレスリリースより。画像認識、音声生成など、様々なAIを展開していることを説明している
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