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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第178回

GPT-4o級モデルが自宅のPCで動いた! ローカルAIの常識を変える「Strata」

2026年10月19日 07時30分更新

文● 新清士

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 9月24日に一般公開された「Strata」というローカルLLM向け技術が話題沸騰中です。これまで、ローカルLLMで動かせるモデルの大きさは、使用するPCのVRAMの容量や、RAMとVRAMで共有するユニファイドメモリの容量によって決まっていました。そのため、強力な思考能力を持つローカルLLMまでは動かすことができなかったのです。ところがStrataはVRAMだけでなく、RAMとSSDに必要なデータを分割して持たせることで、その壁を打ち破り、さらに生成の高速化も実現しました。VRAMを搭載したローエンドPCでさえ動かすことができるため、今後のローカルLLMの活用方法を大きく変化させることは確実です。

80GBクラスのAIモデルが、RTX 4090で高速動作

 Strataは現在、Alibabaの「Qwen3.8-Flash-Next」のみに対応しています。このモデルは総パラメータ数125B(1250億)ですが、作業内容に応じて使う部分(エキスパート)を切り替えるMoE(Mixture of Experts)方式のため、推論時に有効なのは6B(60億)です。応答の精度も高く、一部のプログラミングや画像解析などにも使えるほどの高い性能を持つと言われています。OpenAIのGPTや、AnthropicのClaudeといった最新のクラウドAIにはかなわないにせよ、1年あまり前に主力だった「GPT-4o」にも匹敵する性能だとも言われています。

 ただし、ファイルサイズは圧縮済みでも80GBを超えます。128GB以上のユニファイドメモリを搭載した「Mac Studio」やNVIDIAの小型AI専用PC「DGX Spark」での動作を前提としているモデルです。そのため、コンシューマ向けのビデオカード搭載PCでは、そもそも動作しませんでした。現実的な選択肢としては「Qwen3.8-27B」が挙げられます。ただ、RTX 4090/5090を搭載したハイエンドPCでも、約16~19GBに圧縮したバージョンを使う必要があり、その賢さには限界がありました。

 ところが、Strataでは5倍近いパラメータ数を持つQwen3.8-Flash-Nextが動作するというのです。さらにNVIDIAのCUDAライブラリに最適化されているため、生成速度もユニファイドメモリを搭載したPCよりも速いとされています。

△Strata環境が実際に動作しているところ

 筆者のRTX 4090搭載PC環境(RAM 64GB)で試したのがこの動画です。筆者の場合は、インストールから環境設定まで、すべてGPT-6 Astraに任せたため、難しい作業をせずに設定を完了させることができました。動作させているのは「sc117-qwen3.8-flash-next-abliterated-iq3_s」で、モデル本体は83.86GBもあります。本来であれば、どうやっても動きません。

 「シンギュラリティ」についてのレポートを書かせたところ、毎秒約80トークンの速度で出力しました。テキストが表示される速度はクラウドAIよりも速いぐらいで、その高速さにかなり驚かされます。Strata+Qwenは、VRAMもメモリ(RAM)もギリギリまで使うため、できるだけ使用メモリを減らす必要があります。そこで、RTX 4090搭載PCを専用サーバとして扱い、他のPCから専用クライアントを通じてやりとりしています。

RTX 4090搭載PCが動作している状態。VRAMに収まりきらないデータの一部はRAMに退避させているため、RAMを目いっぱい使っている

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