このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

ゆるっと知見を深める楽しい会「TECH.ASCII ゆるっとナイト」 第29回

Inter BEE直前!業界のホンネで盛り上がった「ゆるっとナイト」第8回をレポート

放送・映像の現場はAIが奪う?IT知識は必須?ロケ弁片手に事業者へ聞いてみた

2026年10月22日 10時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 これまで情シスの皆さんを招き、SaaSやセキュリティなどを語り合ってきた「ゆるっとナイト」。2026年10月6日に開催した第8回では、11月に控える放送・映像業界の一大イベント「Inter BEE」を見据え、映像・音響やコンテンツ業界の話題でゆるーく盛り上がりました!

 いまや、放送や映像のプロの現場から一般企業のマーケティング部門まで、ITシステムやクラウド、AIといった最新テクノロジーは切っても切り離せない存在と言えるでしょう。私たちASCIIも、ITの情報を発信するとともに、YouTube配信なども手掛ける「放送・映像×IT」の当事者です。

 だからこそ、お酒や美味しいロケ弁片手に、現場の皆さんがどんな悩みを抱えているのか、ホンネを聞いてみたい!初の業界特化の開催となったイベント当日の様子をレポートします。

放送・映像の現場はAIが奪う?IT知識は必須?リアルな現状聞いてみた

 ゆるっとナイトは、TECH.ASCIIが主催する「ちょっと楽しくて、ちょっとためになるかもしれない」交流イベント。今回は「Inter BEE攻略スペシャル」と題して、放送・映像×ITに興味のある皆さんに集まっていただきました。

 本イベントでは、毎回、テーマに合わせたゲストを迎えて「現場のリアル」を語ってもらいます。今回はもちろん、映像・配信分野の代表者が登壇!ヤマハの馬場大介さんとLIVEUPの谷中迪彦さんに協力いただきました。

 ヤマハは、音響・映像機器を手掛けるいわゆる機材屋さん。一方でIT領域ではネットワーク機器で知られ、今回のテーマである「放送・映像×IT」を体現する企業です。そんな同社で、法人向けの音響・映像システムを担当する馬場さんにお越しいただきました。

ヤマハ 音響事業本部 プロフェッショナルソリューション事業部 NW推進部 主事 馬場大介さん

 一方の谷中さんは、CMなどのクリエイティブ制作から、ライブ配信やSNS設計まで幅広く展開する映像制作会社「LIVEUP」で、CEO兼Producerを務めています。いわば、コンテンツ領域の第一線で活躍する事業者代表です。

LIVEUP CEO / Producer 谷中迪彦さん

 そしてASCII(角川アスキー総合研究所)からは、いつもの情シス代表・執行ではなく、映像制作・SNS・YouTubeのプロデューサーである古田が参戦!この3名でお届けしたのは、ぶっちゃけアリのトークセッション特別版「映像・配信事業者のホンネ」です。

角川アスキー総合研究所 戦略推進部 担当部長 古田裕則

司会もASCII編集部つばさ、TECH.ASCII編集長の大谷、取締役吉川といういつものメンバーです

 本企画では、3名のゲストに「2つの選択肢」を提示。どちらが多数派になるかを参加者に予想してもらい、より多く的中した方に「美味しい食べ物」や「福引チケット」が贈られます。

 最初のお題は、「映像制作や配信で、“あえて今こそ”大事だと思うのはどっち?」。「いつの時代だって“企画や演出”」と「今の時代は“ツールや機材・環境”」の2択です。放送・映像×ITというテーマに反して、多くの参加者が「企画や演出」と予想しました。

 気になるゲストのホンネは……忖度なしの全員「企画や演出」という結果に!LIVEUPの谷中さんは、「例えばこの缶ビール1個を映像で宣伝する場合、一番インプレッションに影響するのは企画と切り口。AIで生成した映像も、実写の映像も、それを伝える手段に過ぎない」とコメント。

 一方、ASCIIの古田は、「ツールや機材、環境は既に大前提」だと強調。「YouTubeショートやTikTokを見ても、最近は画質の粗い動画は流れてこない。なぜなら、一定のクオリティがあることがリコメンドの前提になっているから」という回答には、参加者も思わず頷いていました。

ゲストも参加者もASCIIに忖度なし!

 続いてのお題は「これからの映像・音響・配信業界、『生成AI』でどうなっちゃうの?」です。選択肢は、「制作はAIが代替」と「AIは補助ツールで、メインは人間のまま」。今回も参加者予想は、「メインは人間」に偏りました。

 ゲストのホンネは……2対1でやはり「メインが人間」が多数派に!ヤマハの馬場さんは、「特にハード周りの問題をフィジカルAIが解決するのはまだまだ先。しばらくは人間が活躍する」と機材屋ならではの意見を提示。古田も、「今やAIが企画も考え、100や200パターンの動画を作ってくれる。ただし、それらを最終決定するのはやっぱり人間」だとコメントしました。

 一方の「AIが代替」を選択した谷中さんは、「こと制作にフォーカスすれば、監修は人間のままだとしても、手を動かす作業やリサーチといった業務の大半はAIが代替するのでは」と現状の手ごたえを語りました。

ゲストで分かれたAIに対するスタンス

 最後は、「映像・音響の人たちは、どこまで『ITのこと』を知っておく必要がある?」という、これまた悩ましいお題です。「餅は餅屋で分業していく」と「ITをわからないなんて、もはや化石じゃない?」 の2択に対して、参加者の多くが後者を予想。「テレビ局などでも、ひとつの企画を少人数で素早く回さなければならない時代。そうなると、技術面までカバーする必要があるのでは?」といった意見も挙がりました。

コメントをいただいた参加者には「福引チケット」を追加でプレゼントしました

 しかし、ゲスト3名の回答は……満場一致で「分業」というスタンス!馬場さんは、「Inter BEEでデモ環境を構築する際も、開発メンバーを横で腕組みしながら見ているしかない。もはや映像系のシステムやネットワーク周りは難解すぎて、プロに任せないとやりきれない」とネットワーク屋としての嘆きを吐露。

 谷中さん、古田も、どこまで把握するかの線引きが難しいとしつつ、これからのディレクターには「どのメンバーがどの技術に詳しいかを把握し、専門家の意見を適切に選ぶ力が大事になってくる」とまとめました。

 終盤には、ゲストへの個別の質問コーナーへ。「配信時に遭遇したトラブルはあるか?」という問いに対し、谷中さんは「多言語配信が増えるなど、映像よりも音声周りが複雑化してきている」と現状を共有。古田も「最近はVTuberの方が出演するイベントも多く、音声周りの設定は難しい」と同調しつつ、「有名なタレントさんを招待したイベントの本番中、マイクの音声が落ちてしまった」という、聞いている参加者も嫌な汗が出てくるようなエピソードを明かしました。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
  • 角川アスキー総合研究所