最新PCゲームチェッカー 第90回

ドット絵だからこそ光る1作!

『FF6』の表現を超えられたのか?初のHD-2D化を果たした『ファイナルファンタジー レゾナンス』先行レビュー

文●Zenon/ASCII

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 スクウェア・エニックスが10月22日に発売する『ファイナルファンタジー レゾナンス』(以下、レゾナンス)。シリーズ初のHD-2Dグラフィックで描かれる、クリスタルを巡る新作RPGです。

 コンセプトは「もし、『ファイナルファンタジー』がドットのまま進化を遂げていたら――」。ナンバリングとしては1994年の『ファイナルファンタジーVI』(以下、FF6)がドット絵最後の作品であり、ハード(スーパーファミコン)の性能を限界まで引き出した“集大成”と呼ばれてきました。

 果たして本作は『FF6』の表現を超えられたのか。ここではPC(Steam)版の先行レビューをお届けします。良い/悪いと感じたポイントも紹介させていただきます。

●冒頭から度肝を抜かれた“魅せる”演出

 本作は2015年~2025年にかけて運営されたスマホ向けRPG『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』(以下、FFBE)をベースにした作品です。とは言え、シナリオ、システムを根本から再構築し、単純なリメイク作品にとどまらないアレンジがされているとのこと。

 事実、発売1カ月前に配信された「第1章まるごと先行体験版」では、『FFBE』にはなかったオープニングムービーが冒頭に挿入されており、CGムービーかと思いきやドット絵で描かれた奥行を感じる映像に度肝を抜かれたという声が続出。えぇ、筆者も驚かされました。

ドットで粗いからこそ際立つ迫力! つかみはOKです

 シナリオ序盤の流れも「土の神殿」に向かうところは『FFBE』と同じですが、全体的に理由付けがしっかりされていると感じました。自然な展開で“探索→ボス戦→次の目的地へ”と続いていくため、ぐいぐいと引き込まれる魅力があります。

「ファイナルファンタジー」シリーズを象徴する“クリスタル”前のイベントシーン。HD-2Dで非常に美しく描画されており、斜めアングルも良い味を出してます

『FFBE』の時よりも圧倒的に演出が強化されており、制作陣の意気込みを感じるイベントでした

 また、HD-2Dならではの奥行を感じさせるフィールドやダンジョン、街並みが本当に美しい。実際に歩けるようになっており、隠し通路を発見して宝箱を開けるのも昔の『FF6』時代を思い出してとても懐かしく感じました。

 なおPC版ではロード時間も短く、街の出入りやファストトラベル、バトルの入りなどでストレスを感じることなく遊べます。

フィールドはさすがHD-2Dの美しさ。あの大渦もいずれ船で探索できるのでしょうか……?

街中の背景もドットで描き込まれています。光の表現も素晴らしい

ミニマップに描画されない「隠し通路」の先の宝箱。怪しげな裏道を探し当ててお宝をゲットするワクワクを感じられます

 総じてグラフィック、演出面でかなりの強化アレンジがされており、かつドット時代のお約束もしっかり踏襲。HD-2D作品として非常に完成度の高い仕上がりになっていると思いました。

●ビジョンで広がる戦術の面白さ

 戦闘システムは、素早さ順に動くシンプルなターン制バトル。通常攻撃やアビリティを使って敵のHPを削り切れば勝利ですが、ブレイクゲージを削ると敵を1ターン休みにできるので、戦いをより有利に進められます。

戦闘画面。行動順も上部のバーでひと目でわかるようになっていて、「どの順にブレイクを狙うか」といった戦術も立てやすいです

 キャラクターのレベルを上げる成長要素のほか“ビジョン”と呼ばれる育成システムが用意されています。各地にある光の祠を訪れると、歴代シリーズ作品のキャラクターをゲットできます。ただし、単純に仲間として加入するのではなく、キャラクターに“装備する”タイプ。『FF6』の魔石に似た雰囲気を感じました。

光の祠ではそのビジョンがどんな人物なのか、振り返る形で教えてくれます。歴代作品を遊んでいる人は「そんなキャラだったなぁ」と懐かしくなる、すごく良い演出です

ちなみにここの質問は「心のままに答えてください」と言われ、ビジョンの性能に選択肢による変化はありませんでした。キャラの心情に寄り添うか自分ならどう考えるか、好きに答えられるのは面白いです

 ビジョンはキャラに装備中だけ使えるアビリティと、戦闘で経験値をためることで新たなアビリティを習得できる「マスタリーボーナス」があります。付け替えは自由なので、キャラのロール(アタッカー/ディフェンダー/ヒーラーなど)に合わせたアビリティを習得させ、強くしていくのが楽しい要素となっています。往年の“ジョブシステム”的な要素ですね。

さまざまなビジョンのアビリティをつまみ食い。コストと装備枠の制限はあるものの「自分だけのキャラビルド」を組める自由度の高さは面白い!

 また、1ターンで敵全員をブレイクすると、ビジョンごとの必殺技も発動できます。欲を言えばオープニングのようなドット絵ムービーで表現してほしい気もしましたが、美麗な演出もこれはこれで良きかと。

どのビジョンの技を発動させるか選ぶ画面。弱点を突いたり、全体攻撃したり、回復したりできます。ちなみにもう敵のHPがゼロで使いたくないといった場合は、キャンセルボタンでカット可能

『ファイナルファンタジーXV(FF15)』のノクティス。多数の武器を召喚し、多段攻撃で攻め立てます。やっぱカッコいいわぁ

 そのほか、「ぬすむ」を習得する『ファイナルファンタジーIX(FF9)』のジタンなども確認。マスタリーボーナスの育成状況は“装備しているキャラ”ごとに固定なので、別キャラにも習得させたい場合はあらためて装備・育成する必要があります。

 パーティの役割をどうするか、物語を進めるごとに育成の自由度が増してどんどん楽しくなっていきますよ!

●往年のシリーズファンはマストバイ!いっぽうオススメできない人は…

 全体的にクオリティは高く仕上がっており、RPGとして物語の演出も十分。HD-2Dの「ファイナルファンタジー」として、非常によくできた傑作であると感じました。『FFBE』の1stシーズンベースということで、まだ続きを作れるネタはあると考えれば“新たな柱”としてシリーズ化を望んでも良いかもしれません(※作る構想があるのかは不明)。

 いっぽうで、近年の作品に見られたアクション重視の戦闘は本作には一切ありません。ランダムエンカウント式で敵を避けながら進むこともできず、少々テンポが悪いと感じる人もいるかもしれませんね。

 細かい不満点としては、ミニマップの全体図を見られないこと(拡大したい)、ビジョンの演出スキップが中途半端なこと(演出の最初と最後は必ず流れる)などが挙げられます。また、個人的には高い武器を購入した直後に宝箱から上位の武器が手に入って「やっちまった!」という経験も。これはRPGあるあるで、ただの自業自得ですが。

 そして、HD-2D作品として「オクトパストラベラー」シリーズと比較すると、キャラの等身が上がって表現力が増しています。手を振るシーンなどではそれが顕著で、腕の動きまで表現していて、これは良いと感じました。

 スーパーファミコン時代の最高峰『FF6』と比べれば、演出、戦闘・育成、そして冒険している感を含め、“並ぶか超える域”に達していると個人的には思います。主人公レインの目指す青臭い理想論「1人の命も100人の命も諦めない」など、胸にグッとくる名言・名シーンもプレイして多数見受けられました。

往年のファンは音楽にも注目。戦闘の入りと勝利のファンファーレが初期の頃の「FF」を思い出させるものになっていたり、過去作のデザインのモンスターが出てきたりして、ノスタルジックに浸れます

 現状のプレイでは物語の結末をまだ見届けられていませんが、先が気になる作りになっていることはお伝えします。『FFBE』をかつて遊んでいたファンはもちろん、まだ遊んだことのない人こそ本作を手に取って遊んでほしいと思いました。

 『ファイナルファンタジー レゾナンス』は、2026年10月22日に発売です。セーブデータを引き継げる体験版も配信中なので、気になったひとはまず遊んでみてください!

ドット絵だからこその良さが光る1作! 戦闘と育成が楽しいRPGにハズレはありません(画像は仲間の1人・リドの必殺技)

【ゲーム情報】

タイトル:FINAL FANTASY RESONANCE(ファイナルファンタジー レゾナンス)
ジャンル:RPG
販売:スクウェア・エニックス
プラットフォーム:Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PlayStation 5/Xbox Series X|S/PC(Windows/Steam)
発売日:2026年10月22日 ※PC(Steam)版は10月23日予定
価格:
 通常版:7678円(パッケージ版/ダウンロード版)
 コレクターズエディション:2万5500円(パッケージ版)
 デジタルデラックスエディション:9878円(ダウンロード版)
※パッケージ版はSwitch 2/Switch/PS5のみ。
CERO:C(15才以上対象)

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