サーキットデビューは月額3960円のシェアカーで!? 安全に限界を知る「大人の教習所」が楽しすぎた
今年初めてマツダ主催の「メディア対抗ロードスター耐久レース」(10月3~4日に富士スピードウェイで開催)、通称「メデ耐」に参戦するASCIIチーム。ドライバーはモータースポーツ経験者を中心に構成されていますが、チームの長であるスピーディー末岡氏は参戦資格の国内Aライセンスなし、装備なし、レース経験ほぼなしという……。
しかし、メデ耐は媒体社員が第1ドライバーというルールがあります。そのため、末岡氏はライセンスを取得し、装備品一式を揃えて挑むことになったのですが……。さすがに「何も走らないまま本番を迎えるのはマズい!」と焦りだしたようで、HC GALLERYさまとワンスマさまのご協力のもと、スポーツドライビングの基礎を学べる広場トレーニングに参加してきました。
始めの1歩に最適な広場トレーニングと
HC GALLERYのシェアリングサービス
実は、結構前からメデ耐に向けて準備していたASCIIチーム。末岡氏のライセンス取得から始まり、マシンのカラーリングをして、さまざまな人にスタッフをお願いし、装備品を揃え……。ですが、時間はあっという間に過ぎていくものです。夏の気配がする頃から「練習しなきゃね」と会うたびに末岡氏は話しており、実際グランツーリスモで燃費走行のイメトレを重ねていたようです。
しかし、実車での練習機会はなかなか作れずにいました。そこで筆者が大きな駐車場で開催される広場トレーニングへの参加を提案。広場トレーニングはスポーツドライビングの基礎が学べる場であり、「これからスポーツ走行を始めよう!」という人にピッタリの場なのです(上級者も自身のドライビングを見つめ直す目的で参加するケースもアリ!)。
今回参加させていただいた広場トレーニングは、レーシングドライバーの澤 圭太選手が主催を務めるワンスマ(OneDaySmile)というレッスンです。今回開催された富士スピードウェイのP7駐車場などを中心に、広場トレーニングを開催したり、プロの同乗によるサーキットでのレッスンも行なっており、初心者から上級者までドライバーの「上手くなりたい!」に応えてくれるメニューを実施しているのです。なお、今回の広場トレーニングの参加費は4万8000円となっています。
そして今回は、メデ耐で運転するクルマと同じ車種であるNDロードスターでレッスンに参加。「もしかしてスピーディーさん、ロードスターを買ったの!?」と思う人がいるかもしれませんが、コチラはHC GALLERYさんの車両。
HC GALLERYさんはサーキット走行ができるシェアリングサービスを提供しています。月額3960円が基本料金のサブスクのようなサービスで、サーキット走行時や広場トレーニング時に別途プラスで30分2万9000円~の料金がかかるという仕組みです。
イチからサーキット走行用のマシンを用意するとなると多額の費用がかかります。筆者は同じパーティレース仕様のNDロードスターを所有していますが、新古車で購入し、各種パーツを装着して総計400万円と言った具合でした(現在もローン支払い中)。
このような金銭的ハードルが高い、また何から始めていいか分からないとなると、スポーツ走行を始めたくても始められない……と負のスパイラルになってしまいがち。しかし、HC GALLERYさんでクルマを借りれば初期コストはかなり安く済みます。そしてワンスマさんのような広場トレーニングで基礎を学べば、サーキット走行時に初心者がやってしまいがちなクラッシュを引き起こす可能性はかなり低くなるのです。そういう意味で、今回のパッケージは「最初の一歩」にピッタリと言えます。
まずは基本のドラポジから実演でレクチャー
朝イチの座学を終え、いよいよ走行開始! という訳ではなく、最初に実演で教わるのは、基本中の基本であるドライビングポジションの取り方。ここが合っていないと、いい運転はできません。今回のインストラクターは井上雅貴選手と山田 遼選手、お二人ともレース経験が豊富なドライバーです。末岡氏はグループ分けの関係から主に山田選手に教えていただきました。
最初の走行は全開加速から目標の位置で停止するという、一見すると単純な内容。グランツーリスモをプレイしたことがある人ならば、ライセンス試験の序盤でおなじみ「発進と停止」をイメージすれば分かりやすいかと思います。ただ、フロントに荷重を残すためにゆっくりとブレーキを抜いていく……という操作を意識するように言われます。
さっそくトライした末岡氏、強くブレーキを踏むことはできていそうですが、狙った位置に停めるのに苦戦している様子です。
「いやー、狙った位置に止めるって難しい! 普段乗りからブレーキの緩め方は意識しているけど、ブレーキを踏み直さないで、1度のブレーキだけで速い速度から狙った位置に止めるのは難しい。しかも目印がないし。うっかり2回ブレーキ踏んだら山田選手に見抜かれてるし」(スピーディー末岡氏)
スピーディー末岡、覚醒!? からのスピン!
こうして苦戦しながら発進と停止を終えた次は、オーバルコース。ここではアクセル、ブレーキ、ステアリング操作の一連の流れの組み立てを、反復練習で学びます。単なる楕円形のコースと思いきや、運転の基礎がすべて学べます。山田インストラクターの助手席に乗ってイメージを掴んでから走行開始! すると走行にスムーズさがどんどん出てきているではありませんか! 山田インストラクターも「末岡さん、覚醒しました!?」のお墨付き。
「助手席に同乗することで、想像がハッキリと現実になった感じだね。アクセル、ブレーキ、ステアリング、それぞれの操作のイメージが明確になってきたよ」(スピーディー末岡氏)
こうして反復練習を重ね、徐々にペースを上げていきます。上達を感じられる走りを見せていたところで、まさかのスピン!
「立ち上がりでアクセルを開けすぎてしまったみたい、特にアクセルは繊細さが求められるね。でもスピンを経験できてよかった。ココなら広くてガードレールに当たる心配も少ないし、スピンするまでの過程を経験することで“こうなったらヤバいかも”が安全な環境で理解できるのが良いね」(スピーディー末岡氏)
その後は若干スピンへの恐怖心があったそうですが、リアがスライドしてもカウンターステアとアクセルコントロールで対応ができるようになっていた末岡氏、1度スピンを広場で経験しておくのは有効なようです。
続いては8の字コースを走行し、昼休憩を挟んで午後は高速コーナーも含めたより大きなコースレイアウトへとトライ。午前に習った基礎を上手く組み合わせていく必要があります。何度か走行する末岡氏ですが、「ライン取りとブレーキの操作感のイメージがイマイチ掴めない」とのこと。こんな時にインストラクターに声をかけて同乗してもらうことができるのもワンスマ広場トレーニングの良いところ。百聞は一見に如かずということで、どうすればいいか? どこが課題か? がより具体的に分かるのです。
「オレGT目指しちゃおうかな」
そう思ってしまう上達の実感がある1日
最後にスピーディー末岡氏に一日を振り返ってもらいました。
「自分って基礎が全然できていなかったんだなぁと痛感したよ。20年くらい前に何も知らない状態で鈴鹿サーキットを走って、クラッシュしてから実はトラウマだったんだ。ローンが3年くらい残ってたクルマを廃車にしちゃってね。あの時、こうした基礎トレーニングを受けていれば、あのクラッシュもなかったんじゃないかなぁって思った。こういうところで練習すれば、スピンしそうな時どう対応すべきかが反復練習できるのがいいね。ブレーキってこんなに効くんだ! という驚きもあったし、運転するすべての人が受けてほしいレッスンかも。一般道でも活かせる技術だし。改めて運転を学ぶ大人の教習所って感じだね」
そして「俺もGTドライバーになれるかな?」と笑いながらコメントを締めくりました。初心者がいきなりGT? と驚くかもしれませんが、それだけ「上達した!」という実感があり、実りのある1日になったようです。
なお、山田インストラクターはメデ耐に別チームで参戦するようで、当日は師弟対決が見られるかもしれません。
こうして一日広場でみっちりと走りこんだ末岡氏は「達成感を感じると同時に、とても疲れたし、筋肉痛になりそう。やっぱりモータースポーツって“身体を使うスポーツ”なんだなと実感したよ」とのこと。帰りに立ち寄ったファミレスでは「今日の俺、食欲スゴイな」と言いながら、まるで人間火力発電所のように食事を楽しんでいました。
安全にスポーツドライビングの基礎を学べて、「上手くなった」の実感で楽しく1日を終えられる広場トレーニング。これからスポーツ走行を始めようという人は、ぜひ受講してみてください!
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