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サッカーとテクノロジー〔FIFAワールドカップ2026〕 第11回

デジタル化の徹底で観客のストレスゼロへ、FIFAワールドカップ2026 現地レポート

6.4万人の熱狂をAIが導く FIFA W杯全スタジアム「デジタルツイン」化が変えた観戦体験

2026年07月18日 09時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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長めの余談:アルゼンチン対カーボベルデ戦は「サイコーダヨ」だった

 ここまで本記事では、ワールドカップのスタジアムで体験したテクノロジーのあれこれを紹介してきたが、そろそろキックオフだ。取材と原稿のことはいったん忘れて、試合に集中しよう。

試合開始直前。この日の来場者は「満席(Full House)」の6万4000人以上

 筆者が今回観戦したのは、決勝リーグのアルゼンチン対カーボベルデ戦だ。

 幸運なことに、この一戦は「決勝戦レベルだった」との評価もあるほどの、素晴らしい試合となった。結果こそアルゼンチンが3-2で勝利したが、FIFAランキング60位台で初出場のカーボベルデが、前大会の王者で今回も優勝候補と目されていたアルゼンチンを相手に2度も追いつき、延長戦にまでもつれ込む熱戦を演じたのだ。最後の最後までどちらが勝ってもおかしくない、そんなドラマチックな戦いを目の当たりにして、胸が熱くならないわけがない。

■アルゼンチン対カーボベルデ戦 ハイライトシーン(FIFA YouTubeチャンネル)

アルゼンチン対カーボベルデ戦は、とても白熱した名勝負となった

 満員となったマイアミ・スタジアムを見渡すと、スタンドの大半はアルゼンチンのサポーターが占めており、カーボベルデサポーターはほんの一角にすぎない。だが、その一角からは、試合中ずっと応援の太鼓の音が響いていた。

 実は試合前、カーボベルデのマフラーを持ったサポーターの一団と話す機会があった。その1人、ウンベルトさんは「僕たちはカーボベルデ出身ではなく、ポルトガルの出身だ」という。理由を聞くと、カーボベルデはかつてポルトガルの植民地だった(1975年に独立)こともあって、現在も両国間の行き来は多いのだという。「もちろんポルトガル代表を応援しているが、カーボベルデにも頑張ってほしいから応援に来た」と、ポーズをとってくれた。

 惜しくもアルゼンチンに敗れてしまったものの、2026年のワールドカップを振り返るとき、多くの人がカーボベルデの奮闘と躍進を思い出すだろう。

ポルトガルから来たウンベルト(Humberto)さん。負けてしまいましたが、カーボベルデは文句なしの戦いっぷりでしたね!

スタジアムの大部分をアルゼンチンサポーターが占める中、数列のカーボベルデサポーターたちが旗を振っていた。ゴールを決めた選手が駆け寄っていたので、家族が来ていたのかもしれない

ゴール裏、3階席の一角にもカーボベルデサポーターたちが。ずっと太鼓を叩いてチームを盛り立てていた

 筆者は、今大会での活躍を通じて初めてカーボベルデを知ったのだが、すっかりファンになってしまった。編集者に聞いたところ、実は日本ともつながりがある国だという。1960年代、この西アフリカの島国が日本のマグロ漁船の中継基地になっており、日本人船員たちとの交流も生まれた。そこで空手が伝わったほか、日本語の「最高だよ!」という言葉が「Sayko Dayo」という軽快なリズムの歌になり、長く親しまれているという。

カーボベルデの歌手、セザリオ・エヴォラ(Cesaria Evora)さんが歌う「サイコーダヨ(Sayko Dayo)」

 最後はサッカーもテクノロジーも関係のない話になってしまったが、これまで知らなかった国について少し知るきっかけになるのもまた、ワールドカップの良さではないか。試合の勝ち負けにとらわれず、サッカーだけにとらわれず、楽しんでもよいはずだ。

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