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ITコスト・戦略・セキュリティ― クラウドリフトの必要性を繰り返し強調

顧客企業のビジネスを動かす「基幹系AI」を実現する 日本オラクルの2027年度戦略

2026年07月13日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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日本オラクル 取締役 執行役 社長の三澤智光氏

 「正直に言うと、今のオンプレミスシステムは本当に不都合な状況になってきている。なぜわれわれがクラウドリフトに強くフォーカスしているかというと、(オンプレミスが抱える)“バラバラのインフラ”“高額な運用保守コスト”“進化のないアプリケーション環境”といった課題をまず解決したいからだ」(日本オラクル 三澤智光氏)

 日本オラクルが2026年7月7日、2027会計年度(2026年6月~2027年5月期、以下「FY27」)の事業戦略説明会を開催した。

 説明会の中で日本オラクル 社長の三澤智光氏は、日本ではまだ多くのミッションクリティカルシステムがオンプレミス環境で運用されており、それがさまざまな“不都合”を引き起こしていることを説明。日本のITの状況を変えるために、システムのクラウドリフト(クラウド移行)が必要であることを繰り返し訴えた。特に、AIが急速な進化を続ける中では、セキュリティ脅威という新たな課題も生じているという。

 また、企業におけるAI活用の中心は「参照系AI(生成AI)」から「基幹系AI(AIエージェント)」にシフトしていくとして、その実現に不可欠なデータプラットフォームの要件についても提唱した。

オラクルが提唱する「クラウド/AIジャーニー」の概要

AIクラウドの受注残額は100兆円超え、「オラクルの業容はこれから大きく変わる」

 三澤氏はまず、「(米本社の)オラクルコーポレーションは、良い意味でも悪い意味でもいろんなニュースになっているが」と前置きしつつ、昨年度(FY26)のグローバルおよび日本の業績を報告した。

オラクルコーポレーション(左)、日本オラクル(右)の2026年度の業績

 オラクルはこの数年間、OpenAIやソフトバンクとの共同プロジェクト「Stargate」など、AIインフラ/AIデータセンターに大規模な投資を行ってきた。これがAI開発企業からの大型契約獲得につながっている一方で、あまりに巨額の支出が続くことを懸念する声も強く、株価は大きく揺れ動いている。またFY26には、AI導入による業務再編で、グローバル従業員の1割以上にあたる2万1000人規模の人員削減を行ったことも報じられている。

 ただし、FY26の業績そのものは非常に好調だった。総売上高は、前年比16%増の約10.6兆円(674億ドル)。製品分野別で見ると、特にクラウド(IaaS/PaaS)売上が、前年比75%増と大幅な成長を記録している。さらに、FY26第4四半期時点のRPO(契約済み受注残額)は、前年同期比で4.6倍の約102兆円(363%増の6380億ドル)に達している。このRPOは、いわば“売約済で今後利用される予定のクラウドリソース”の額を示す。102兆円のうち、今後1年以内に12兆円、3年後までには35兆円が売上計上される見通しだという。

 この業績発表について三澤氏は、「オラクルの業容、会社のあり方が、これからかなり変わっていくことが想像できるのではないか」とコメントした。急成長するAIクラウドデータセンター事業が、これからのオラクルにとって大きな柱となり、既存のソフトウェアやクラウドのビジネスにも影響を与えるという予測だ。「旧来のライバルとの関係も、これからずいぶん変わっていくのだろうと考えている」(三澤氏)。

 米国のような強烈なAI需要はないものの、日本オラクルのFY26の業績も好調だった。売上高は前年比8.2%増の2850億円と、通期として過去最高の業績を更新している。国内市場においては、オンプレミスのビジネスが順調であること、クラウドのビジネスが高い成長を維持していることなどが好調の理由だと説明した。OCI(Oracle Cloud Infrastructure)やSaaS ERP(Oracle Fusion Cloud ApplicationやNetSuite)の導入事例も数多く発表されている。

 「(日本市場でも)ミッションクリティカルシステムのクラウド化と言えばOCI、SaaS ERPと言えばOracle Fusion ApplicationsやNetSuite、といったブランドを作れたのではないか」

FY26に発表したOracle Cloud Infrastructure(OCI)、Oracle Fusion Applications/Oracle NetSuiteの国内顧客事例

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