ITコスト・戦略・セキュリティ― クラウドリフトの必要性を繰り返し強調
顧客企業のビジネスを動かす「基幹系AI」を実現する 日本オラクルの2027年度戦略
2026年07月13日 09時00分更新
「参照系AIから基幹系AIへ」のパラダイムシフト、データ基盤の要件はどう変わる
三澤氏は、企業がこれまでビジネス導入してきた生成AIを「参照系AI」、これから導入が進むAIエージェントを「基幹系AI」と位置づけたうえで、基幹系AIの活用をはばむハードルや、それをオラクルの技術がどう解消するのかを説明した。
基幹系AIとは、人間のユーザーに対して取るべきアクションを推奨するのではなく、自ら判断して、自律的に基幹業務を実行していくAIエージェントのことを指している。
ただし、AIエージェントが自律的に業務を実行していくためには、データにコンテキスト(意味)を与える「オントロジー」や「セマンティック」といった仕組みが不可欠である。そして、それを実現するのがデータプラットフォームだ。
しかし、現状では「ベストオブブリードでデータプラットフォームを設計している企業が多い」と指摘する。処理対象であるデータそのものとは別に、オントロジー、セマンティック、データカタログといったものが分断されたツール上にある状態だ。「これでどうやって、AIエージェントを駆動させるためのデータプラットフォームを作り上げられるのか」と、三澤氏は疑問を投げかける。
その解決策としてオラクルが提供するのが、Oracle AI Databaseだ。AIエージェントに対して、データのコンテキストを含む「ワンストップのデータプラットフォーム」を提供することができると、三澤氏は強調した。
さらにSaaS ERP分野でも、AIエージェント/基幹系AIの登場によって変化が生じると見ているという。従来型の、ビジネスを記録することを目的とした「Systems of Record」から、ビジネスを自律的に実行して成果を達成することを目的とした「Systems of Outcomes」への進化だ。
三澤氏は、ここでもリッチなコンテキストを含むビジネスデータが必要であり、Fusion AppsやNetSuiteに優位性があると説明した。これらのSaaSは単一プラットフォーム、単一データモデルで設計されており、実行中に生じる新たなコンテキストも含めて利用できる。
「信頼できる企業のコンテキスト、決定論的な実行、ガバナンス、承認、セキュリティ、そしてビジネスそのものとの深い統合。これらがあるために、われわれのアプリケーション上のAIは、参照系にとどまらず、安全に作業を前進させて測定可能なビジネス成果を提供していくことができる」
なおFusion Appsでは、すでに22種類のAIエージェント「Fusion Agentic Applications」を提供しているほか、ユーザー企業自身でAIエージェントやAgentic Applicationsを作成/拡張/管理できる「Oracle AI Agent Studio for Fusion Application」も用意している。
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三澤氏は、3年前の2023年当時は「日本企業のミッションクリティカルシステムは、3年以内には過半数がクラウドリフトされる」と予測していたという。その点を「残念ながら、僕の観測はだいぶ間違っていた」と率直に認め、比較的進んでいる製造業でも1割から2割程度、金融や通信、公益といった業種はさらに少ないという見方を示す。
「日本の今のIT環境は、危機的な状況のものが多いと思っている。フロンティアAIの脅威などへの対応は急ぐ必要があるが、本質的な対応であるアプリケーションもビジネスプロセスも全部やり直すような取り組みは、とても間に合わない。そこでインフラストラクチャーだけでもクラウド化をして、レジリエンスを少しでも高めていこうと提案している。それが実現しやすい環境は整備してきたので、パートナー様とともに、少しでもお役に立ちたいと考えている」
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