ダンロップ「WINTER MAXX ICE Pro」

【寿命より氷上特化】ダンロップ新型スタッドレス「アイスプロ」の潔すぎる決断

文●スピーディー末岡 編集●ASCII

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 ダンロップは7月1日、新型スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX ICE Pro(ウインターマックス アイスプロ)」の発表会を開催しました。8月から順次発売します。

あえて氷上性能への方向転換

 発表会は、常務執行役員 タイヤ事業本部 タイヤものづくり統括である水野洋一氏のプレゼンテーションからスタートしました。

常務執行役員 タイヤ事業本部 タイヤものづくり統括 水野洋一氏

 今回発表されたアイスプロは、冬の道で最も危険な凍結路面(アイスバーン)での安全性を極限まで追求した製品です。その開発の大きな転機となったのは、あらゆる天候に対応する同社のオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」の存在でした。

1年を通じて使えるタイヤ「シンクロウェザー」

氷上性能に特化した[WINTER MAXX ICE Pro」を開発

 幅広い路面状況をカバーできるシンクロウェザーが誕生したからこそ、スタッドレスタイヤは本来の役割である氷の上での性能に特化するという明確な舵切りが可能になったのです。

危険なアイスバーンだからこそ
家族をターゲットに

 続いて登壇したタイヤ事業本部 国内リプレイス営業本部長兼ダンロップタイヤ 代表取締役社長の牧野明人氏からは、販売戦略が語られました。

タイヤ事業本部 国内リプレイス営業本部長兼ダンロップタイヤ 代表取締役社長 牧野明人氏

 アイスプロは、降雪地域で日常的に凍結路面を運転し、家族を乗せて走るドライバーを主なターゲットとしています。氷の上でもしっかり止まり曲がれるという安心感を提供することで、運転時の心理的な負担や無意識の緊張を減らすことを目指しています。

 プロモーションにはドジャーズの大谷翔平選手が起用され、会場では大谷選手のビデオメッセージも上映されました。野球の道を極める大谷選手と、氷上性能を極めた新製品のプロフェッショナルな姿勢を重ね合わせています。

氷に密着を持続させる新技術
「ふんばり吸水ゴム」

 製品の技術的な詳細については、執行役員タイヤ事業本部 技術本部長 先行開発本部長の田中 進氏が解説をしました。

執行役員タイヤ事業本部 技術本部長 先行開発本部長 田中 進氏

 アイスプロには新開発の「ふんばり吸水ゴム」が採用されています。このゴムは、氷の上で車が滑る原因となる水膜を取り除いて路面に密着するだけでなく、ブレーキやカーブの力がかかっても密着状態を保って踏ん張ることができるのが特徴です。

氷上でもクルマが止まる仕組み

 さらに、年数が経過してもゴムの中のオイルを抜けにくくする「うるおいポリマー」が従来品よりも多く配合されており、4年後でも氷上での効き目が持続するように設計されています。これらの技術により、従来品と比べて氷上でのブレーキ性能が25%、コーナリング性能が9%向上しているとか。

氷上特化型か全天候対応型か
自分のライフスタイル合わせて選べる

 発表会後半のメディアとの質疑応答では、製品のよりリアルな姿が見えてきました。氷上性能を大幅に向上させた一方で何か犠牲になった性能はないかという問いに対し、タイヤがすり減りにくいという摩耗性能(ライフ性能)を従来品より若干妥協していることが明言されました。とはいえ、一般的な冬タイヤとしての使い方であれば、少なくとも4年以上は十分に使える設計となっているとのこと。

 また、高度な新技術を採用しているため、価格は従来品よりも少し上がることが示唆されました(価格は非公開)。年間数十日だけ雪道を走る都市部のドライバーに対しては、日常使いがメインならシンクロウェザー、雪山へ行くなど雪道を走る目的が明確であればアイスプロを推奨するといった、具体的な使い分けのアドバイスも語られました。

 さて、そんなアイスプロですが、実は今年の冬に試乗会に参加してきたので、近くそのときの様子を今後レポートします。アイスバーンでの走行以外に雪深い一般道でシンクロウェザーとの比較もできました。

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