万博の次は商用化だ! 空飛ぶクルマがまた一歩前へ、SkyDriveが国交省の「ADO」取得

文●モーダル小嶋/ASCII

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SkyDrive公式サイトより

 空飛ぶクルマの実用化に向けて、国内の開発体制がひとつ前へ進んだ。SkyDriveは4月20日、国土交通省航空局から「航空機設計検査認定事業場(ADO)」の認定を取得したと発表した。SkyDriveによれば、日本の空飛ぶクルマ開発企業がこの認定を受けるのは初めてとなる。

設計体制そのものが認められた意味は小さくない

 ADOは、航空機の設計および設計後の検査を適正に遂行できる体制を持つ事業場に与えられる認定だ。SkyDriveは今回の認定について、厳格な品質管理体制と安全管理体制を有していることを公的に証明するものだと説明している。

2026年4月17日 国土交通省航空局 航空機技術審査センターにて、ADO認定書受領の様子。左から、SkyDrive 耐空・型式証明室長 Harald Nagler、SkyDrive CTO Arnaud Coville、 国土交通省 航空局 安全部 航空機安全課 航空機技術審査センター所長 藤巻 吉博 氏、SkyDrive 耐空・型式証明室 ADO&プロセス保証グループ マネージャー Yuwaraj Dande

 国土交通省によれば、認定事業場として技術上の基準に適合する事業者が認定業務を実施した場合、国の検査などの一部を省略できる。SkyDriveは今回のADOを、欧州航空安全庁(EASA)の設計組織承認や、米国連邦航空局(FAA)の組織指定認可に相当するものと位置付けており、機体設計の品質を担保する体制が航空行政上の基準に照らして認められたことがポイントになる。

型式証明の取得と2028年以降の実用化へ弾み

 国土交通省の証明制度では、航空機は設計、製造過程、完成後の現状について検査を受け、安全基準などへの適合が認められて初めて耐空証明を取得できる。また、航空法第12条に基づき、航空機の型式の設計には型式証明が必要となる。SkyDriveは現在、機体の安全性を証明する型式証明の取得を進めており、2028年以降の実用化を目指している。

 同社は、ADO取得によって設計体制が確立され、2028年のサービス開始に向けたロードマップがより強固になるとしている。今後は、この認定を基盤に型式証明取得へ向けた審査プロセスの最適化や、商用化に向けた開発スピードの加速を図る考えだ。認定番号は第313号、認定日は2026年4月15日となっている。

“空を移動する社会”へ、制度面でも前進

 SkyDriveによれば、ADOを取得した企業は従来の航空機開発企業を含めても2026年4月時点で国内6社にとどまる。取得の難易度と制度上の重みを示す数字であり、空飛ぶクルマという新領域が、実証や話題性のフェーズから、認証と商用化を見据えた本格的な開発段階へ進みつつあることを印象づける。

 SkyDriveは2018年設立。愛知県豊田市を主拠点に空飛ぶクルマを開発し、2020年には日本で初めて公開有人飛行試験に成功、2025年には大阪・関西万博でデモフライトを実施したという。今回のADO取得は、そうした実証の積み重ねを、制度と認証の側面から次の段階へ押し上げるきっかけとして注目されそうだ。

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