このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第217回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 1月10日~1月16日

“幻滅期”のAI、それでも支出額は大きな伸び/レガシーIT最大の課題は「データ連携」/「AI格差」の実態調査、ほか

2026年01月19日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2026年1月10日~1月16日)は、高成長が続く世界のAI支出、DX推進をはばむレガシーシステムの実態、顧客データの統合管理と分析ニーズを背景に伸びる国内CDP(顧客データ統合基盤)市場、年齢やリテラシーだけではない“AI利用格差”の実態についてのデータを紹介します。

[生成AI] 「幻滅期」にもかかわらず、2026年の世界AI支出は前年比44%増(ガートナージャパン、1月16日)
・世界のAI支出、2026年は前年比44%増の2.5兆ドルに達する予測
・AIインフラ構築が進む、AIサーバー支出は前年比49%増の見込み
・2026年を通じてAIは「幻滅期」、本格拡大へのカギは「ROIの予測可能性向上」

 ガートナーによる世界のAI市場別支出額予測。2026年の世界AI支出は、前年比44%増となる2兆5200億ドルに達し、続く2027年も32%増の高い成長を見込む。ただし、2026年を通じてAIは「幻滅期」にあり、企業は新規大型プロジェクトとしてAIを導入するのではなく、既存ソフトウェアプロバイダーからAIを組み込んだプロダクトの提供を受けるケースがほとんどだという。テクノロジープロバイダーによるAI基盤強化が進み、AIインフラ市場だけで前年比4010億ドル増のおよそ1兆7500億ドルに達する予測。

 ⇒ 早くも「過度な期待期」を超えて「幻滅期」入りするAI。これからは「現実のビジネス成果に結びつくのか」が問われるフェーズになります。ガートナーのアナリストも「AIを本格的に拡大させるには、ROI(投資収益率)の予測可能性が向上することが不可欠」とコメントしています。

世界のAI市場別支出予測(出典:ガートナー)

[DX][レガシー] 9割超の企業に存在する「レガシーシステム」、最大の問題は「データ連携が困難」(NTTデータビジネスブレインズ、1月15日)
・9割超の企業にレガシーシステムが存在、さらに4割の企業では「多数」存在
・半数以上の企業が「他システムとのデータ連携が困難」と問題点を指摘
・経営層が「現場の技術課題を十分理解」は2割にとどまり、DX推進の障壁に

 企業の情シス部門管理職を対象に行った「DX推進の障壁と課題」調査より。業務の足かせとなる「レガシーシステム」は、91.9%の企業で存在していた。レガシーの問題点を尋ねたところ、DXで重要となる「他システムとのデータ連携が困難」が55.7%で最多。さらに「セキュリティ脆弱性リスク」(40.9%)、「ビジネス環境変化に迅速な対応ができない」(39.4%)といった回答が続く。「DX推進における組織的な壁」については、78.7%が「組織の縦割り意識や部門最適の考え方」が障壁になっていると感じている。また、新たなデジタルツールや業務プロセスの導入に際して、他部署から抵抗感を示されることが「頻繁に/時々ある」という回答も82.8%に達した。

 ⇒ この調査結果を受けて、同社では、DX推進の現場は「人材」「(レガシー)システム」「組織文化」という“三重の壁”に直面しているとコメントしています。さらに、経営層がこうした現場課題を「十分理解している」という回答は21.3%にとどまり、DXの号令をかける経営層と実行を担う現場との“認識ギャップ”も大きくあるようです。

DXの足かせとなる「レガシーシステム」が存在する企業は91.9%に達した(出典:NTTデータビジネスブレインズ)

レガシーシステムが引き起こす問題は「他システムとのデータ連携が困難」がトップ(出典:NTTデータビジネスブレインズ)

DX推進において「組織の縦割り意識」や「部門最適の考え方」が障壁になっていると感じる人は78.2%(出典:NTTデータビジネスブレインズ)

新しいデジタルツールや業務プロセスの導入時に「他部署からときどき/頻繁に強い抵抗感を示されることがある」は82.8%(出典:NTTデータビジネスブレインズ)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    sponsored

    60年の時を超え「COBOL」がGitHub Copilotでよみがえる 勘定系アプリの“超難関”モダナイに7社が挑戦

  2. 2位

    ビジネス・開発

    富士ソフトがエンジニア1万人超を「AIネイティブ」化 実装力を武器にフィジカルAIなど3本柱に注力

  3. 3位

    ITトピック

    IT技術者の8割超「AI生成コードには人間のレビューが必要」/「偽・誤情報を見破れる」と自信を持つ人はICTリテラシーテストの正答率が低い、ほか

  4. 4位

    sponsored

    「現場に行くのが当たり前」を変えたアズビルのリモート調整 効果はプライスレス

  5. 5位

    TECH

    攻撃するAIと防御するAI 日本企業のセキュリティ対策にいま何が必要か?

  6. 6位

    デジタル

    東京タワー相当の紙を“完全撤廃” 点検業務をkintone化した“現場ファースト”な改善術

  7. 7位

    ITトピック

    実用化が楽しみすぎるスマート技術たち 「長距離ワイヤレス給電」から「室内向け太陽電池」「超音波センサー」まで

  8. 8位

    TECH

    パンや酒、チョコづくりにも関わる微生物「酵母」の進化を追求

  9. 9位

    デジタル

    IoTデバイスをサイバー攻撃から守る IoT向けゼロトラストの“3つのアプローチ”

  10. 10位

    ITトピック

    6割超の企業で「セキュリティは取引条件」 SCS対応も進む/パワハラと指導の違い、あなたの基準は?/AIへの危機感か 転職希望のIT人材が増加、ほか

集計期間:
2026年07月22日~2026年07月28日
  • 角川アスキー総合研究所